第67話 2024年2月 相生、はじめての確定申告! 本番です! ~絶対に、おれはあいつを取り返す!?~
なんか、サブタイトルがNTRもののタイトルっぽくなってしまいましたが……。
どうも、相生です。みなさん、お元気ですか?
いよいよ、確定申告、本番です。
絶対に取り返すぜタックス! おまえをおれは見捨てない!?
本日の主要登場人物はタックス・ショトーク。こいつがコクゼイチョーってわるいやつらにさらわれちまった……。
おれは必ずあいつを取り返す……。
そんなイメージですかね、確定申告って。え? 違う?
国民の三大義務のひとつである納税の義務を果たすための大切な申告ですって? まあ、そうだったんですか!
知らなかった……、どうもすみません(嘘です)。
まあ、まじめな話、還付金めあてなのは普通なんじゃないかと?
節税というものです。
さて、用意するもの。
まずはマイナンバーカード、もしくはその通知カードのいずれか。
とにかくマイナンバーが分かればいいってことではないかと思います。
続いて、源泉徴収票。
これは職場でもらえます。ここに、さらわれたタックス・ショトークの残りHPが書かれていますね。確定申告は回復魔法です! HPはもうゼロよ!? と言わせたい。
それから、収支内訳書です。
まあ、よう分からん、ということでアドバイスをもらいながら作成するつもりです。
一応、世界的大企業MS(モビルスーツじゃないよ。モビルスーツはAE、アナハ〇ム・エ〇クトロニクスだよ)さんのエクセ〇で、クレカの明細からピックアップした経費をまとめて収支計算はやってます。
健康保険や生命保険などの控除証明書。
私の場合は納付額証明書というのがありましたのでそれを準備しました。
あと、通帳。
ゆうちょ銀行で用意しました。口座番号のメモでも大丈夫らしいけれど、別になくさないんなら通帳でいいと思う。
そして、スマホ。
私はノパソとWiFiのルータを用意しました。おんなじですよね? (絶対に違う。)
あとはIDとパスワード。
この前、事前に税務署で相談した時に、なんちゃらのIDとパスワードはゲット済みです。
そんな訳でやってきました、朝9時の税務署。
中へ入ると……おや、3人くらい、並んでますね。まあ、4人目なら……。
「あ、整理券はお持ちでしょうか?」
並ぼうとしただけで職員さんから声がかかる。
「いえ、持ってません」
「なら、こちらをお持ち下さい。最短で12時からになりますが……よろしいですか?」
……よろしくない!? あと3時間もある!?
だが、まあ、仕方がない。どこかで時間を潰すしかない。
……やっぱり昔のガンプラみたいに朝5時から並んだ方がよかったのでは?
と、いう感じで、2時間半くらい、時間を潰して戻ってきました。
誰も並んでいないので、私が先頭です。
「整理券をお持ちですか?」
「はい。これです」
「ああ、12時からですね。少々お待ちください」
よし。今回は並ぶ権利を得られたようだ。
5分くらいして、私の後ろに別の人が並んだ。
「整理券をお持ちですか?」
「ああ、これ……」
「11時半からですね……すみません、こちらの方が前に入りますので」
「あ、はい」
私の順番は2番になった。一歩、下がる。
……やはり整理券パワーはすごい。きっちりと整理されてしまう。
その後は、同じように私の後ろにふたりほど並んで、その次。
「整理券をお持ちですか?」
「いや、持っとらん!」
「では、こちらをお渡しします。14時、午後2時からとなります」
「なんじゃと! ほうか!」
「どこかで食事でもされてから戻られたらそれなりにいい時間ですよ」
……朝よりも待ち時間は短いらしい。私は朝9時で12時……。
そして、前の人が中に入っていく。私が先頭になった。
「あ、空きましたか……はい。では、中へどうぞ」
「……あの、まだ12時になってませんけど?」
「ああ、いいんです。そういうこともあります」
……いいんだ。まあ、ありがたいことではある。
そして、ついに確定申告部屋へ突入!
中はあれだ、選挙の時みたいにブースが一応区切られてるけど、まあ、会話はだだ漏れな感じ。
「こちらへどうぞ~。スマホはお持ちですか~」
優しそうなお姉さんが担当。お姉さんというだけでテンションが上がる。
「いいえ。ノートパソコンを持ってきました」
「はい?」
……今、明らかに疑問的な「はい」でしたね。
まあ、スマホを持ってこいって書いてあるのにノパソを持ってきた方が悪い。
でも、ここにあるパソコンは台数がわずかで、最終的にはすんごく待たされるという事前情報を知っていたので、私の選択は間違いではない……はず。
「あの~、ここはWiFiがないので~……」
「あ、用意してます」
私はWiFiルータを取り出した。
「ええと……ちょっと待っててくださいね~」
お姉さんはどこか奥に消えていって、そして、戻ってきた。
「あ、はい。大丈夫ですよ~。パソコン、起動してもらってもいいですか~」
「あの、充電に限りがあるので、まず説明から受けてもいいですか?」
「あ、はい」
……なんか、優し気だった間延びした声ではなくなってきたな?
とまあ、こんな感じで、確定申告がスタートした。
「それでは、ええと、青色申告ですか? 白色申告ですか?」
「以前、こちらで開業させて頂いた時に、開業と青色申告を両方出したんですけど、あとから電話があって、今回は青色ではなく白色だと言われたので、白色だと思います」
「あ、はい」
お姉さんが一枚の紙を差し出した。
「では、まず、これの記入からお願いしますね」
渡された紙は収支内訳書だった。
残念ながら、私にはリアリアの鈴木のような記憶力はないので、当然、数値を暗記していない。しかも、その数値はノパソのデスクトップにあるエ〇セルファイルの中だ。
「ここに書き込む予定の数字は、このパソコンの中にあるので……起動していいですか?」
お姉さんがスン、とした顔になった。ですよねー。結局起動するんじゃねーか、って思いますよねー。
でも、まあ、こっちは何が何やら分からないんだから許してほしい。
「……どうぞ」
「はい、じゃ、起動するまで待って下さい」
3分くらいでノパソが起きて、ファイルを開く。
「この数値でいいんですかね?」
「ええと、どういう意味です?」
「経費として正しいか、どうか、よく分かんないんですよね」
「あ、ちょっと待っててくださいね」
お姉さんがまた奥へ行って、今度はお兄さんを連れてきた。ちょっとテンションが下がった。
「はい。どのようなご質問でしょうか?」
でも、優し気なお兄さんだ。
「ええと、この中に書き込む数値はこれでいいのかなー、と思いまして」
「どれです?」
「まずは収入なんですけど……」
私がアインの伝説でもらった賞金とカクヨムのロイヤルティプログラムで頂いた換金額について説明した。
「白色、ですよね? 雑所得でいいと思いますが?」
「あ、でもですね、一応、開業してるんです。今回は白色で、と税務署から言われたけど」
「あー、そういう感じですか……なら、売上でもいいか……こちらに書いて下さい」
言われたまま、売上のところに記入する。ちなみに、隣のブースのおばちゃんがちらちらとこっちを見てた。会話、筒抜けだからな。最初にチラ見されたのは「賞金」って言葉のところだった。でもね、違います。違うんですよ。小説家のはしくれもはしくれ、めっちゃはしっこの、ネット小説家wwなんですよ……。
「あの、ここって、給与所得はどこに書けばいいんです?」
「給与所得を書く欄はないですよ?」
「え、じゃあ、還付とかありえないんじゃ……」
「ああ、大丈夫です、あとでそっちは別に入力するんで」
……なんだ。書く欄がどれか分からん、とか思ってたら、書く必要すらなかったというオチ。知らないってこういうことだよな。一度、経験しないと分からん。
「じゃあ、家賃なんですけど……」
「ああ、そういう風にあん分されてるなら……」
「水道光熱費は……」
「そこも……」
「旅費交通費については……」
「問題ないと思います……」
「通信費は……」
「大丈夫ですね……」
とかなんとかやってる間に、収支内訳書に数値が書き込まれていく。エク〇ルだから計算も済んでるし、書き写すだけだ。
収支内訳書の数字が確認しつつ書き込まれたらお兄さんは奥に消えていき、お姉さんが復活した。ひょっとして、お兄さんは税務署の職員さんで、このお姉さんは確定申告用のアルバイトなのでは?
……面白そう。こんなバイトなら、1回やってみたい。
「では、ですねー、国税庁ってネットで検索してもらっていいですか?」
「はい」
言われた通り、クロームで「国税庁」を検索する。
「確定申告書作成コーナーというのがあるので~」
「あ、これですね」
クリック。
「じゃあ、作成開始をクリックして、初めていきましょ~」
……うん。たぶん、この人、バイトだ。この作業についてだけ、きっちりとレクチャーを受けてるに違いない。
まあ、あとは、お姉さんの指示通りに、源泉徴収票の数値を入力したり、マイナンバーを入力したり、保険料を入力したりして……。
正直、ここからはびっくりするほどすぐに終わった。なにこれ、簡単。
早すぎてほとんど記憶にない。でも、データだけは記録にあるからたぶん問題はない。
「はい、これで入力は終わりましたね~。あとは、これを書いて下さい」
また、収支内訳書……。
「あの、もう書いたんですけど?」
「あ、はい。あれはですね~、控えとしてお持ち帰り頂く分でして~、こっちは提出用になります~。それで、まったく同じように記入して下さいね~」
……なるほど。今から私はコピー機になるのか。あの〇ーゼマインがシュターフ〇で変化させられなかったコピー機に、私は、なる!
かきかき、かきかき、かきかき……。
業種名のところに「文筆業」、屋号のところに「相生蒼尉」と書く瞬間だけは、ちょっとだけ恥ずかしかった。ちょっとだけですよ?
「書き終わりました」
「じゃ、お預かりしますね~」
お姉さんがまた奥へと消えて、お兄さんがやってくる。なんだこのコント?
「ここはですね……」
さらさらさらっとお兄さんが私の書き洩らしを埋めていく。
収入金額の「計」のところとか、「差引金額」とか、「専従者控除前の所得金額」とか(ここはマイナスで赤字なので、△を書くらしい。マイナスでもいいみたい)、最後の「所得金額」とか、いっぱい書き洩らしがありました。
「これとまったく同じように書いて下さい」
「あ、はい」
お兄さんがそう言い残して、お姉さんにスイッチ。
お姉さんが見守る中、かきかき、かきかき……。
「……できました」
「はい~。印鑑とか、いりますか~?」
「何ですか、それ?」
「あってもなくてもいいみたいなんですけど~」
「一応、ほしいです」
「じゃ、待っててくださいね~」
お姉さんが奥へと消えて、すぐに戻ってくる。
「はい~、これです~」
渡されたのは控用の収支内訳書。青いスタンプ印で、収受、日付、税務署名がある。なるほど、受け付けましたのスタンプか。
え? これってあってもなくてもいいの? あ、でも、家でネットでやったらもらえないのか。なるほど、あってもなくてもいいな、確かに。
「では、これで終了です~」
「あ、はい。ありがとうございました」
「はい~」
最後はにこやかなお姉さんがぺこりと頭を下げたので、私もお辞儀を返した。
確定申告部屋から出る時、数少ないパソコンをずっと待ってる、椅子に座った人たちがいっぱいいた。ノパソがなかったら、私もあっちの世界の住人に転生していたに違いない。
これが、相生初の確定申告でした!
意外と簡単で、来年は自分でできそうです。まあ、たぶん、また行く気がしますけど。ノパソを持って。
ちなみに約4万円くらいの還付金が……あるらしいです……(あくまでも個人によってこの数値は変化しますのでご注意願います……)。
確定申告、おそるべし……。
来年は行く前にこのエッセイを読み直してから行くことにします。それで不安は軽くなるはず。
では、相生でした!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます