第21話 2022年10月~ 相生、公募に応募してもさらに続きを書く ~『RDW+RTA』――リアリアについて語りたい~(2)



 さて。

 この、リアリアという作品については、まずプロットを語らなければなりません。


 相生はこれをDay―Humanプロットと名付けました。


 いっつもお世話になってる世界的大企業のMSさん(モビルスーツではない)のわあどさんではなく、今回、えくせるさんを使いました。


 そもそも設定で、校内図とか、えくせるさんですし。あ、校内図があるということは学園物ですね。


 縦軸には日付。Whenです。


 横軸には人物、または組織。Whoです。


 セルの中にWhatとWhereとWhyとHowを。


 5W1Hを表の中に詰め込んだ。


 そういうプロット。


 縦に見ていけば物語の流れが。


 横に見ていけば登場人物の関係性が。


 それが分かるプロット。


 そして、相生らしい、プロッター+パンツァー÷2として、ここぞ、というセルの中にはもう、ほとんど本文だろっていう、長文が既に書き込まれてる。


 RDW――リアルダンジョンズワールドと名付けた世界の、まるで、予言の書、ですね。


 書き始めたらスピード感があったのは、このセルの中のパンツァー部分が所々で執筆を加速させてたんだと思います。


 わあどさんに書き込んで本文を完成させていく時には、えくせるさんの横列を一気にコピペして、その内容を切り貼りして整えて、誰の目線が一番、この場面に相応しいかを考えて……。


 視点が定まったら、キャラクタープロフィールでそのキャラのもろもろを確認してから書き始める。プロフィールは同じえくせるさんのデータの中の、別のシートにあるから、タブをクリックして移動すればすぐに見ることができる。


 元々のプロットでも、物語の流れはよく分かってました。そのためのプロットだし。

 でも、このDay―Humanプロットにしたことで。


 登場人物の関係性を相生はとてもよく掴むことができるようになっていました。


 Aさんの立場から見たBという事件は、Cさんの立場から見るとまた、別の姿を持つ。そういうことがすごく整理されていく。


 その結果、縦の物語の流れで、AさんとCさんがすれ違って、衝突したり、話し合って協力したりと、そこが矛盾なく、すとんと相生に理解できていく。


 主人公だけの視点だと、作者としても意外とぼんやりしたままになる、「裏で起きていたこと」が明確に分かる。まるで三人称の神様視点みたいに。


 ……そうすると、「あ、ここに意外性が出せるかも」とか。


 そんな「伏線」を整える効果があるという。また、「すれ違い」とか「勘違い」を仕組むことも簡単になりましたね。


 まあ、相生は書くスピードがアップしたかのように錯覚していましたけれど、2週間で2冊分書いて公募に出したように感じただけで、8月の後半からずっと、書き続けていたようなものだったのだ、ということかもしれません。


 本来、人間は、一人ひとり、異なる見方・考え方をしていて、それがどう関係してくるのかが整理しやすいのがこのDay―Humanプロットでした。相生にとっては。


 あとはまあ、おまけ的なことなんですけれど、ダンジョンでモンスターを倒して手に入る魔石でお金を稼ぐんですけれど、その金額の計算がえくせるさんだと楽にできるのは、地味に助かってます。






 それで、エタ、の話になるんですが。


 書けば書くほどに、相生の中でこの世界がどんどん明確になっていきます。そうすると、キャラクターたちの主張が、相生にも納得できていくんです。


 ああ、そうね、キミなら確かにそうするよね。と。


 それで物語に特に影響がないのなら、いいんですけれど。


 完全に相生が立てたプロットの縦の動き、ストーリーの流れを変えてしまうようなキャラの発言が飛び出したりする。


 ところがその発言は、そのキャラの抱える背景からすると、とっても自然で、当然、口にするだろうと思われる内容で、その発言に周囲がどう反応するのか、というのも、納得の動きになっていき……。


 なんと! 作者の相生、一人だけが置いて行かれてしまうんです。


 これはリアリアに限らず、キャラの動きが自然で、止められず……その先を想定していなかった相生には書けなくなる、というのは今までの作品でもあることでした。


 その発言に従って書いていくと、どう頑張っても、プロット上のゴールには到達しそうにない。つまり、この世界の神であるはずの相生が、反逆されてるんです。まさに反逆のキャラーシュ!? 「ああ、わたしは、世界を、壊し、世界を、創る……」と。キャラたちが!? 相生が生み出したはずのキャラが相生に反逆していく……。くそっ、このキャラーシュどもめ! 私の大切なアイオリアリアタニアを滅ぼす気か!


 相生は相生として、思い描いていた未来がある訳です。


 でも、キャラが動き回って、発言したことはとても自然なのです。


 この食い違いが、相生の手を止めてしまう。それが、エタ、です。


 相生は、相生の想像を超えた物語は書けない。それが相生の限界です。これをどうにかするには、もう一度この世界と向き合って、その先を予言し直していくしかないのです。それは途方もない時間がかかる作業なんです。


 ……まあ、乗り越えるのに半年かかって、そしたらなろう感想トラックがやってきて、カクヨムに転生したんですけれどね。


 それはもう書きましたね。


 実は、『アインの伝説』の時には、それを勢いと、細かなプロット修正で自然と乗り切っていたと気づきました。

 あの、なろうでの代表的な卑怯技、繰り返し完結ブーストという完結詐欺によって、続きを書く前に毎回、プロットを立て直していたことが、実はエタを防ぐ効果があったんだと、今は理解しています。






 それでもまあ、リアリアは既に文庫本にして6冊以上のストックがある状態です。


 いつでも公開する準備はできている。


 あとは公募に落ちるだけ。


 ……あれ? 落ちてどうする!? 頑張れ相生!


 まあ、そんな心配もなく、あっさり、2023/1/17に、リアリア2作品はどちらも落選しちゃいましたけれどね。


 そして、リアリアのなろう公開が始まりました。半年後に後悔するとも知らずに。ま、未来なんて誰にも分んないですからね。

(ついさっき、この世界の神である相生とか、プロットのことを予言の書とか、言ってたはずなのに未来なんて誰にも分からんとかwww どの口が言うwww)





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