第17話 2022年6月 相生、公募を目指して挫折する ~『フォレスター子爵夫人の成り上がり』について語りたい~(1)



 2022年の6月ですね。相生、カクヨム転生の1年前です。


 まさかカクヨムに転生するとは思ってもいませんでしたよ。


 この時に書き始めたのが、『フォレスター子爵夫人の成り上がり ~高位貴族というのはとても面倒なので本当は関わりたくありませんけれど、お金がもらえるのなら仕方がありません。精一杯努力することに致しますわ~』です。


 なろうらしい長文タイトル。うん。なっがいなー。マジで。


 この頃にはすっかりなろうにも詳しくなっていて、そこそこ書ける、という自信はありました。






 さて、そもそもこの『フォレスター子爵夫人の成り上がり』なんですが、去年の反省を活かして、ですね。


 HJさんの未発表を狙って書きました。つまり、公募のチャレンジ作ですね。


 どのへんが反省を活かしているかというと、6月です、6月。去年は10月末〆切だというのに、10月も半ばくらいから書き始めた無理ゲー状態だったんですよね。書き上げましたけれど。


 だから、10月末を狙って、早めに書こう、と。そういうことです。ちゃんと反省、活かしてますよね。ばっちりですよ。〆切10月、書き始め6月ですからね!


 ……それなら、なんでタイトルに「挫折」ってあるんだ、って話ですよ。それを語ります。






 そもそも、HJさんの未発表を狙うのは、評価シートがほしいから。もちろん、可能なら受賞したいんです。したいですよ? でも、できなくても、一次を通ればシートがもらえる。これ、大事。


 それくらい、前回、頂いたシートは相生にとっては大きかった。自分のためになっていた。


 そこに、しっかりと準備した作品で挑もう、と。そういうことです。


 構想はばっちりでした。


 貧乏な伯爵家の長女な令嬢は、前世の記憶持ちで、前世も貧乏でブラックなお勤め。伯爵家が貧乏だから縁談もない。でも、家格は古くて立派で、でも金がない。だけど、令嬢は図書館通いで知識を詰め込んで、自分磨きは怠らない人だった。

 そこに、公爵令嬢に婚約破棄されてしまった侯爵令息がやってきて、契約結婚を持ち掛ける、というお話。


 そこからは貴族社会のいやーな身分制度の感じを詰め込んで、子爵夫人となったエカテリーナは賢く、たくましく、生き抜いていく訳です。大量の資金を手にして。


 嫁入りした侯爵家が財力ナンバーワンだったから。


 そんな、子爵夫人の経済的な無双物語。


 相生にとって難しかったのは、主人公の言語的な問題ですねー。ですわですわと、令嬢言葉、ご夫人言葉で話すから、もー大変。緊迫した場面で緊張感が出せないのなんの……。


 女性主人公というのも、難しかった。男と女の違いをどう作者として乗り越えるかは大きな課題ですね。ただ、これに挑戦して、やっぱり書く力量は伸びたと思ってます。個人内評価ですけれど。


 あとは、中世から近代のヨーロッパ社会の下調べが大変でしたね。そのまんまにはしないで、オリジナル設定にはしましたけれど。そこを勉強せずに適当な社会にはしたくないですし。


 6月末から7月半ばまでは旅行に行く計画が立っていたので、それまでになんとか書き上げたいと考えていました。この旅行については、旅エッセイで語ってます……読んでほしいですね!


 がっつりと考え抜いたものだったので、書き始めたらすごかったです。自分でもびっくり。


 ガンガンいこうぜってなもんで、指が止まらなかったですね……。


 ですが、そこで、大問題が発生した。してしまった。


 ……公募の規定枚数をオーバーしても、全然、この物語が終わりそうもないという。


 書きたいものを書いているという気持ちは強かったです。だから、公募のために削りたくないんですよ。


 相生は選択を迫られました。


 公募のために内容を削って、規定枚数におさめるか。

 それとも、公募を諦めて、書きたいだけ書き進めるか。


 結局、6月という、〆切の10月に対して、早めに書き始めたことが大きな影響を発揮しました。


 ……まだ時間があるから、別の作品で応募できるんじゃね?


 つまり、『フォレスター子爵夫人の成り上がり』ではなく、また新たな作品を10月末までに書けばいいだろ、と。


 〆切までの残り時間がたくさんあったがために、この作品での公募を諦めてしまったのです。


 ゆとりをもって公募に出すために早めに取り掛かったというのに、早めに取り掛かったから、公募を諦めることになったという、かなり意味不明な状態でした。


 でも、この作品を書く手は止まらない。


 残念ながら、旅行へ出発する日が近づいたので、書き終えることはできませんでしたけれど、既に約15万字、書いてましたんで。


 公募に出さないんなら、なろうで公開すりゃいいじゃん、と。


 旅行期間に合わせて、予約投稿を済ませてから、旅に出ました。この旅については、旅エッセイを見て下さいね?

https://kakuyomu.jp/works/16817330659787365640






 ところが、この『フォレスター子爵夫人の成り上がり』が、過疎ジャンルでバズったんですよね。


 日間文芸・SF・その他異世界転生/転移ランキングBEST300であっさりと日間10位以内に入って、どんどんPVが伸びていったんですよ。なろうのランキングの破壊力はすごいですねー。


 過疎ジャンルとはいえ、異世界転生転移はなろうのホームとも言えます。悪徳領主とか、一戸建て目指しとか、即死チートとか、書籍化作品だってランキングにいるんですよ。


 そこでバズった。


 なろうのランキングはタイミングが重要で、あとは運ゲーだと、このエッセイでも説明したと思います。


 この、バズったタイミングを逃してはいけない。


 旅行から戻ってすぐに最終話を書き終え、7/26に更新して、完結させました。7/1から7/22までは毎日更新でしたから、最終話だけ、少し遅れましたね。でも、なんとか、バズってるタイミングには合わせられました。


 そのまま、完結ブーストで27日には、朝から日間5位でランキングページ入りして露出が増え、昼には日間2位になり、夕方はとうとう、日間1位になったんです。ここまで完結ブーストがハマったのは珍しいですね。やっぱりタイミングですねー。あと、運、です。


 7/28は月間10位入り。月間10位は、パソコンでのなろうトップページのランキングに入りますから、これはとてつもなく大きい。


 日間1位をキープして、7/30には、その結果としての週間1位を達成。このタイミングで月間6位でした。


 途中で一度、日間の1位から陥落しましたが、また1位に戻って、8/9には、ついに月間も1位になったんですよ! ジャンル別とはいえ、月間1位はとっても嬉しい。承認欲求が満たされまくりです。しかも、8/9は日間1位・週間1位・月間1位で最高の状態でした!


 何が良かったんでしょうかね? やっぱり題名ですかね? 「成り上がり」ってタイトルにあるから作品も成り上がったんではないですかね?


 とにかく、相生としては初となるジャンル別月間1位でした。最高です。


 ……そう、最高の結果が出れば出るほどに。


 これをHJの未発表に出せていたのなら……、と。そう思ってしまうんですよ。


 いや、だって、月間1位ですよ、ジャンル別ですけれど。これって、そう簡単にはできないですよね? たぶんですけれど。


 そのポテンシャルのある作品を……ああ……。


 公募に出すつもりだったのにぃぃぃぃぃっっ!!!


 いや、もう、相生、頭をかきむしって苦悩しました。なんであの時、削ってでも未発表新作の方を選ばなかったのか、と。

 なろうで公開しちゃったので、二度と未発表新作には出せません。


 ……これなら、受賞まではいかなくても、「評価シート」はもらえたんじゃないか?


 そう思ったら、もう……。


 うがーーーーーー―っっっ!!


 実際、この『フォレスター子爵夫人の成り上がり』は、そこそこのポテンシャルはあると思うんですよ。123の一次は通りましたし、今もスクエニの一次を通過しています。


 ああ……評価シート、めっちゃほしかった……。






 これが、相生が公募を目指して、挫折した時のお話です。


 え? 挫折してねぇだろ?


 ……ええと、どういうことでしょうか?


 ああ、なろうでジャンル別ランキングの日間・週間・月間1位になったから、そんなものは挫折じゃない、と。


 確かにそうかもしれませんね。でも、公募には出せなかったので、その点に関しては、アウトなんですよ。


 そんな相生の名作である『フォレスター子爵夫人の成り上がり ~高位貴族というのはとても面倒なので本当は関わりたくありませんけれど、お金がもらえるのなら仕方がありません。精一杯努力することに致しますわ~』は、現在、カクヨムでも連載中です。


https://kakuyomu.jp/works/16817330659799867509


 どうぞ、読んで下さいね。読んでもらえたら嬉しいです。





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