第4話 2020年6月 相生、後の代表作を書き始める ~『アインの伝説』について語りたい~(1)



 今、2023年だから、3年前ですねー。懐かしい。


 相生は、『かわいい女神と異世界転生なんて考えてもみなかった。』の執筆に行き詰って、そこから現実逃避して、ゲーム設定を作り始めたんですよ、唐突に。


 国民的RPGのド〇クエを意識して、まずは魔法からですよね。

 やっぱりファンタジーはまず魔法ですよね。メ〇、メラ〇、〇ラゾーマとか、ホ〇ミ、〇ホイミ、ベ〇マとか。

 そのまんまはよくないから、光魔法はソルマ、ソルミ、ソルム……、月魔法はレラサ、レラシ、レラス……みたいな感じで。そんで、それぞれに神様がいる。光魔法は太陽神ソル、回復魔法は月の女神レラ、みたいな。いや~かなりいい加減な設定だなぁ。


 徹夜で。


 徹夜で、ですよ。意味わかんないですよね?


 現実逃避にも程がある。


 ポーション作成の魔法とか、ジェイビーマントゥフォウパウア、なんて意味不明な名前の魔法にしてたりとか。

 一応、意味はあったんですよ、意味は。相生的には。ジェイは日本人・ジャパニーズ。ビーはビジネスマン、トゥフォウは24、パウアは力。日本のビジネスマンは24時間力が出せるぜ、みたいな。まあ、そんな歌が昔、あったんですよ……。


 いや~、深夜の意味不明なテンションってマジで怖い。恥ずかし~。


 魔法を作り込んだら、今度は物理攻撃関係です。剣術とか、弓術とか、そんな感じ。

 予備動作と呼ばれる動きでスキルを発動させるって設定で。

 その予備動作と攻撃動作で、別のスキルの予備動作を重複させれば、連続してスキルを使える裏技があるとか。


 まあ、そんな設定を山積みにしていきましたよ、深夜に。深夜に。


 それから世界ですよね。マップ。月がいくつもあるとか。

 それぞれのスキル系統を司る神様がいるとか。まとめ役の神様がいるとか。


 続けて、モンスター設定ですよね。敵がいないと、RPGはダメだ。

 ええ、色んなモンスターを妄想しました。それはもう、たくさん。


 真夜中に。真夜中に、です。


 マジで、深夜のテンションって怖いわ~。


 それで、設定的に形ができたら、今度は、プロットを組んだんです。


 前回、パンツァーだったので。

 いっちょ前に小説家を気取って、プロットですよ。


 起承転結、とまでは言わないけど、4つの短文から始めて、それぞれの短文の中にまた、起承転結を入れて。

 短文の箇条書きプロットですね。

 それで、箇条書きを書いていくうちに、むらむらとして書きたくなった部分については、ガンガンその場でもう文章にしていって……。


 プロットを立てながら、部分的には本文が入ってる感じですかね。


 だから、プロッターとパンツァーの間みたいな感じかもしれません。

 ただ、今回は、設定があった。ものすごく積み上げた設定があった。そこから、話を引っ張り出すことができた。それが前回とは大きく違ったのかもしれません。


 カーテン越しに外が明るくなった頃には、あ、これ、1章ってもう書けちゃうよね、という感じのプロットがありました。


 それが現在の相生の代表作とも言える、『アインの伝説 ~気づいた時にはもう遅い? 転生したら滅んだ村の生き残りで、勇者の幼なじみなのになかなか名前を思い出してもらえないという極めつけの脇役だったんだけどさ、どうしたらいいと思う?~』の始まりでした。


 今思えば、キャラ設定は不十分でしたね。そのへんはパンツァー的でした。


 この『アインの伝説 ~気づいた時にはもう遅い? 転生したら滅んだ村の生き残りで、勇者の幼なじみなのになかなか名前を思い出してもらえないという極めつけの脇役だったんだけどさ、どうしたらいいと思う?~』は、なろうでは総合評価5万ポイントオーバー、ブクマ1万オーバーの、相生作品の中では、もっとも読まれた作品となります。代表作と言って過言ではない。


 題名、長い! 本当に長い!


 でも、こういう部分からして、相生がちょっとはなろうを齧ったというのが見えてきます。

 なろうは意味不明に長い題名の作品がフツーなんですよ、フツー。


 あとは尊敬する偉大な先生から教わったなろう知識「完結ブースト」ですね。これが相生の知るなろうでした。

 つまり、まだまだなろうのことなんて、全然分かってなかった訳です。


 ただ、前作と違って、一応はプロットがあって、設定は盛りだくさんです。困ったら、設定を見ていたらお話は挿入できる感じ。


 それで、ある程度、まとまりのいいところまで書き終えて、まとめて投稿予約を入れる。1日1話の更新でした。このへんはなろうを分かってなかったですね……当時は。


 ただ、そのまとまりの、キリがいいところで、一度、完結するんです。

 それで、小さく完結ブースト。


 だって、なろう知識が「完結ブースト」ぐらいしかないんですよ。

 他に知らないから、それしか使えない。


 1章の前半、ボスモンスターを倒して、村を救うところまで書いて、まずは完結。

 続き希望があったら言って下さいねー、と。

 で、感想に続き希望を頂いて、その続きをまた、キリのいいところまで書く。

 キリのいいところまで書いたら、1日1話で公開する。


 ……これって、なろうじゃなくて、カクヨムなら正攻法なのでは?


 まあ、とにかく、「完結ブースト」しか、なろうにおける読者獲得の方法を知らない当時の相生は、何度もある程度キリのいいところまで書いては完結、書いては完結、を繰り返して、ちょっとずつ、ちょっとずつ、読者が増えていったんです。


 今、考えたら、ろくでもない方法ですよね。完結詐欺というヤツです。なろぉまわりさ~ん、こっちで~す! タイーホ! タイーホですよ~!


 まあ、許して下さい。当時は本当に「完結ブースト」以外の読者獲得方法を知らなかったんです。


 ランキングの仕組みも全然理解していませんでしたね。





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