第16話


窓の外に可愛い小鳥が窓の外にやってきている。ロレーヌは図鑑でその鳥の種類を見ている。


 以外にもロレーヌの妹へ書いた手紙はすぐに配達されて、一週間後位に、イールは侍女に連れて行かれ、この部屋から出て家に帰っていった。


イールはロレーヌに抱き着いて泣きながら帰るのを嫌がっていたが、「また、あいにいくわね」というロレーヌの言葉に、渋々とういうか泣き疲れてイールが眠っている隙に、侍女に抱かれて去っていった。


またロレーヌは一人になってしまった。


ろくに外に出られないロレーヌは、いつもにこにこ微笑みながら、窓の外にいる鳥を眺めて、バードウォッチングしている。


にこにこいつも微笑んでいるロレーヌの様子がおかしいことに、見張りの騎士男二人も気づいた。

ただただロレーヌは嬉しそうに、窓の外の鳥を眺めている。どこか精神がおかしくなってしまった人間なのだろう。

ロレーヌは世間の噂とは違い、まるで子供のようにいつも微笑んでいる穏やかな女性だった。


「おはようございます。今日も鳥観測ですか?」


ブラウンの髪の騎士のオルガに話しかけられて、ロレーヌはにこにこ「ええ、そうよ」と頷く。

騎士オルガという名前だと少し前に、ロレーヌに自己紹介してくれた。


最初はロレーヌのことを馬鹿にしてセクハラしていた騎士のオルガも、にこにこ笑いながらロレーヌに話しかけるようになった。


「・・・・・」

銀髪の騎士のハリスは、同僚騎士のオルガが必要以上に側目の妃のロレーヌに近づいている。そして、・・・もうすぐ消されそうだと思っていた。


どんどん増えているロレーヌの侍女や警備兵に執拗に見張られているのに、オルガは気づかないのか?

ロレーヌに粗相をしたものが次の日からもう来なくなったのに気づいたのは、いつからなのか?


オルガに忠告したほうがいいのがわかっているが、ハリスは恐怖で動けなかった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る