第6話

「・・・・ん?眠いわ。どうかしたの?シャパード」

シャパードは筋肉質な立派な体躯だ。威圧感がすごくて、ごつごつしていて熱くて重い。ロレーヌは息苦しさを感じる。


「・・・・側妃様、いや、・・・・・ロレーヌ様」

シャパードの親指が、唇に触れて、ロレーヌの唇に口を重ねてくる。


「・・・・・・?」

あれ?もしかして、ロレーヌは、シャパードという男性に口づけされているらしい・・。


これまでのロレーヌの人生がよみがえる。

不細工だと罵られて、男の子たちにはよく虐められていた子供のころのロレーヌのこと。元夫の愛人たちからもよく顔を馬鹿にされていたこと。


なぜ不細工で異性に相手にされないはずのロレーヌが、シャパードのような立派な体躯の男性に口づけられているのだろう?嫌、分からない。



どう考えても、ロレーヌはわからなかった・・・。


「お許しください、ロレーヌ様、俺は、もうこらえきれません」

シャパードの緑色の瞳が、闇の蝋燭の中で瞬く。


いや、何を?何をこらえきれないの?


とにかくシャパードの筋肉が重い。ロレーヌを息苦しくて、身動きをとろうとするが、シャパードに抱きしめられ、首筋に口づけられ、身動きが取れなくなってしまった。もう一度シャパードが、ロレーヌに口づけてくる。

無防備な状態で抑え込まれているので、どうしようもないし、眠いのでロレーヌは諦めて、『まぁ、いっか』と、そのまま微笑みながら眠ることにする。


掛け布団がないので少し肌寒いが、シャパードの分厚い体は暖かかった。ハーブのようなスパイシーな匂いがする。女性にはない男性の香りだなと思う。分厚い筋肉が、柔らかなロレーヌの体をぴったりと隙間なく抱き合う。


「ロレーヌ様、俺はあなたが好きです」

シャパードが囁く。

そして何度も首筋に、口に口づけてくる。


シャパードが重いせいやらなにやらで、なかなか熟睡できないロレーヌであった。


その晩果物から、果汁があふれ出す夢を見た

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