第3話
結局芽愛に関することはかなり高位の精霊ということしかわかってない。
精霊としての基本能力は全て備わっているみたいだけど固有の権能がない。少なくとも確認できてない。
基本的に高位の存在になると魔力を持つ生物は固有の何かしらの権能を持つ。
例えば現在確認されている中では竜種のブレス、ほかに確認されている精霊の中には転移等の能力もある。
他の生物も似たようなことを再現できるものもあるがそれでも一線を超えている能力、もしくは再現がほぼ不可能な能力のようなものだ。
でも芽愛と出会って三年経つけど未だにそれを確認していない。
…そもそも芽愛に戦ってもらったことないけどね!
「芽愛にも何かしら能力くらいあると思うんだけどなぁ…。でも試すにはちゃんとしたところじゃなきゃ危ないだろうし…」
正直不安だ。
「パパ?どうしたの?」
芽愛が僕の不安を感じ取ったのか心配そうに顔を覗き込んでくる。
「ううん、大丈夫だよ。それよりほら、ご飯食べよっか」
「うん!」
黒鉄に来るにあたって一人暮らしを始めたから親は家にいない。でのそこそこ料理の勉強や練習をしていたおかげで料理関係のスキルは向上してるし作り置きもいくつか常備するようにしている。
だって便利だしね。
「それじゃあ僕が準備している間テレビでもみててね」
「はーい!」
そう言って芽愛が見始めるのはプリ○ュア。結構昔からある作品だけど未だに女児の心を掴むらしい。
いや、ニチアサはいい作品いっぱいだけどね?僕も一時期すごい好きだった。最近は父親のせいでグッズが株みたいにしか見えなくなって買うのもやめたけど。
何はともあれ芽愛はプリキ○アにハマっているようで見ている姿はとても楽しそうだ。
幼女の笑顔からしか摂取できない栄養分があると思うのは僕だけなのかな?
まぁ、いいや。
今日のご飯にする予定のハンバーグを熱したフライパンで焼き、事前に炊いておいたお米を茶碗に盛る。
野菜を少し別の皿に盛り付けて、味噌汁はインスタント。
芽愛のは少し少なめに用意している。
芽愛はそもそもに食事を必要としない体なのでそんなに食べないのだ。そして排泄もしないからエネルギー吸収効率がほぼ100%なんだろう。すごいね。まぁこれは魔法生物全般に当てはまることなのだが。
ご飯は用意できた。大体30分かかってないくらいだからそろそろ○リキュアも終わる頃だろう。
「芽愛ー、ご飯できたからおいでー」
「わかったー!」
呼ぶほどに広い家じゃないのだが僕の家は自室にテレビを置いているのでご飯を食べるときに使っている部屋とテレビが置いてある部屋が違うのだ。
色々と手違いがあった結果なんだけど僕の怠慢招いたことだから仕方ない。
「「いただきます!」」
「おいしい!」
「そっか、よかった」
芽愛はいつも美味しそうにご飯を食べてくれるので作る側としても嬉しいことだ。
こんなありふれた日常を守るためにも僕だってもっとしっかりしなきゃ。
とりあえずは明日ある定期試験。
モンスターと戦ってちゃんとした成績を残さなきゃ!
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