第14話 男なんやし

「そんな事するなら…私も…耳元で囁いてしまうで? そしたら、キミなんて、いちころや!」


「え? もう…大分〇されてる? そんな、物騒な言葉使わんといてよ! 〇人鬼みたいに…。え? でも、いちころやった? そんなん…こっちかてそうや? こんなとこに、あんな約束、守った2人や。こっちだって、それだけで一コリに決まってるやろ?」


(シャカシャカ…頭と頭をこすり合わせる)


「ふふふ…猫みたいやね…私たち…。捨て猫みたいや…。あの時……本当に、捨てられても、キミと一緒に…いたかったんやけどなぁ…」


「え? …奪いたかった? キミはそんな事思っとったん? ふふふ…ごめん…わろうてしもうた…。あんな、子どもが…奪いたいって…。さっきの『君の方が綺麗だよ』より、そっちの方で口説いて欲しかったわ…」


「え? 女の子慣れ、してない? 今までのキミの話が本当なら、ほんまなんやろな…。でも…心変わり…せぇへんかった? 途中、可愛い子もいたやろ? とびっきり美人の同級生、中学とかでおったやろ?」


「しつこいて…。気になるやん…キミ、さっきから…ちゃんと…ゆうてくれへんし…」


「え? それは私も同じ? …そらそうやわ…私、ほんまにモテてんもん。告白なんて、月一やったもん。特に、高校な…。もう、ミスやで?」


(スッ…頭を上げる音)


「ん? どうしたん? 頭傾けごっこ、飽きたん?」


「寂しそう? …何言わせようとしてるん? 告白なら…そっちからしてや?」


「男…なんやし…。そこは…やっぱり…」

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