第13話 グロス

「なぁ…髪、触ってもええ?」


「だって、なんか…柔らかそうなんやもん…。私、剛毛やから、パーマもかけられへんの…。触ってええ?」


(くしゃくしゃ…)


「うわー…! 気持ちええなぁ…。すんごい…いつまでもわわってられよる…」


「ふふふっ。くすぐったい? 襟足、刈り上げてるんやね。ツーブロックか…。なぁ…刈り上げてるところ、逆なでしてもええ?」


「え? それは嫌? なんでなん? え? ぞわぞわするから? そんなん、我慢してや。私の快感の為に」


(ザザザザ…刈り上げを逆なでする音)


「ははは!! これ一回やってみたかってん! 気持ちいいなぁ!! え? もうヤダ? 背筋になんか走った? ゾゾゾって? それは…もう一回せんといかんね!!」


「え? ほんまにやめろ? 仕方ないなぁ…。諦めるよ…。とか言って!」


(ザザザザ…!)


「あはは! そんな声ださんといてよ!! 耳くすぐったいやん!! 吐息かかる!! キミ、フリ〇ク噛んだやろ! 息がミントや! なに? もしかして、の為なん? だったら、笑うわ!!」


「あ―怒らんといて! ……私だって……少し……期待…しとったから…」


「キミ、本当に赤面症やね…そんなんで、約束、守れるん? …って言うか…ちゃんと、守ったん?」


「私? …どう…想う? どう…見える?」


「…また、名探偵〇ナンちゃうやろな…」


「え? グロスが…色っぽい? 今度は、E〇Tやん!! もう、純度100%やね、キミは!! 変わっとらんでよかったわ…そう言う所…」


「私は…かわったかな? 言葉遣い? さっきも言いよったよね? これは、仕方ないやん…。え? 可愛い? …そんな耳元で囁くなんて卑怯や…ドキドキしてしまうやん…」


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