第11話 ちちちち近い!!
「なぁ…この約束…どのくらい…大切やった?」
「…黙らんでよ…。なんや…やっぱり…大切にしてたん…私だけか…」
「え? そんなことない? じゃあ…なんで黙りよったん? …え? 一番大切やったから? 言うの…恥ずかしかった? …何よ、それ…もう! ほんま、キミタラシやん! 絶対!!」
「きゃー!! そんなに怒らんといて!! ふふふふ!! 嘘やよ! …嬉しいわぁ…そんな風にゆうてもらえて…。ここに来た甲斐あったってもんやな…」
「え? キミもそう思う? え? 絶対来ないと思った?」
「そんなん……、こっちかてそうや…。絶対…忘れよると思うた…。時間まで…ピッタリやった…。私が。キミ、一体いつから待っててん? こんな暑い夏に、しかも、そんなガタイの良い体で、こんな狭いトンネルの中で、よく待っとったね…」
(近かった顔をさらに近づけてくちびるを耳につくくらい…)
「二!! 二時間前!? ほんま!? …って…近づきすぎやで? …キミ……耳に…キミのくちびる…つきそうやったやん…」
(すぐ顔を赤くして顔だけ背ける)
「……こっち向いてや…。なぁなぁ! こっち向いてや!」
「…向かへんのやね…そんなに恥ずかしがるなら、せえへんとけばええのに…。もう…なんやの? キミ。度胸あるん? 無いん? どっちなんよ?」
「え…? 中学以来、女の人とこんな近くで話したの初めて? …それはないで!! いくら何でも!! 文化祭とかで、ナンパしよったやろ!! 男子校あるあるやろ? それ…」
「え…? ちちちち近いて! いきなり向かんで!! 危うくキ……何言わせんの!!」
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