第6話 私の事
「私の事を…聴かせろ? 何? 何話したらええの? …何でもいい? 何でもいいじゃ、ようならんわ…。具体例、挙げてくれへん?」
「好きな人? ………………え? なんでそんな言沈黙が長いか? そんなん……私の勝手やん…。色々……あるやん…乙女心は…複雑やねん…」
「男心も複雑ぅ? 何、今さっきまで、ガタイ、内面、成績、スポーツ、全部完璧な大人のはずだったキミが、そんな事を言うやなんてね……。そんなん、教えてくれへんのやったら、よう言わんわ」
「こっちばっかり話させらてる? そんな事ないやろ? キミは、私から、話を聞く代わりに…こんなに密着して…熱いのに……でも、なんか、ええもんやね」
「え? 泣いた理由くらい教えろ? う~ん…そうやなぁ…なんでやろう? …キミの…心が、聴こえる距離に…今いられることが…嬉しいから…が、一番かも知れへん…」
「失礼やね…、そんな真面目に答えるとは思ってなかった? なんなん…自分から聞いといて…。でも…ほんまやで…。また、会えるとは…想ってへんかった…もん…。え? キミも?」
「それはそうやね…。誰でも…普通、忘れるやろうね…。こんなん…奇跡なん違う!?」
(そよそよと…風が出て来て、二人の頬を冷ます)
「そんな顔せんといてよ…。笑った顔まで違う人やわ! あ、キミ、私のこと、すぐわかった? …そうなんや…。そらそうやね、私より早く、ここにいたくらいだもんね…」
「え? 私がキミのフルネーム言えるかって? ……言えるに…きもうてるやん…」
「やろ? ほら、やっぱり合ってたやん! 私、キミ程やないけど、まぁまぁの成績やったから、頑張れたわ…学校生活…。友達とか…辛い時も…あったんやけど、私ほら、基本、明るいやん?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます