第5話 意地悪
(外にいて声を出すは、カラスと風のみ)
「…キミ…ちょっと、肩、貸してもらっても…ええ? ……ありがとう…」
「キミは…大人になったやね…。彼女…いてるんやろ?…いない? ほんま? …嘘っぽいなぁ…。モテないはず…無いと思えんねん。だって、顔、格好よくなったし、背だって、こんなとこ入ってるの…辛いやろ?」
「でぇへん? …え? ここが良い? でも…体…いたない? 苦しくない? 天井に、頭ぶっとるし!! あはは!!」
「え? そう言う所は、変わらない? 失礼なこと言うな、キミ…。キミだって、大分頑固なとこ、変わってへんよ? 私ほどじゃない?」
「……怒るで? …ちょっと、気持ちええから…今は…怒らへんけど…」
「キミの肩は…がっしりしてるんやね…。なんか、スポーツしてるん?」
「え? バスケ? 中高? え? エース? なんなんそれ…! なにいっちょ前に文武両道してんねん!! ふふふふ! なんか、楽しくなってきたわ!」
「いっぱい、話、きかせてぇや…! 今日までの話。山ほどあるやろ? 私も…あるから…」
「へー…、高校はスポーツ推薦やったんや…凄いな…。んで? バスケ、その後どうなったん?」
「……ごめん…辛い事言わせちゃったかな…? けが…か…。え? 気にしてない?
嘘や…。だって……そんな…笑顔で言わんといてよ…」
「…謝らないでええの!! これは…私からのプレゼントや」
(ボロボロ泣く)
「どうやって…立ち直ったん? ……やっぱり…彼女…とか、やろ?」
「ほんま? ほんまに、今までいた事あらへんの? 信じてええの? …! わ、私は…私は…どうでもええやん…」
「良くない? ……なんで? なんでよくないん?」
「意地悪なんて…言ってるつもり…あらへんもん…」
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