　アンドロイドが一般家庭に普及する今、占いという不確定要素な遊びに頼る人間は激減しているのだろう。たまたま朝食を摂りながらテレビを見ていると、星座占いのコーナーが流れていた。

「本日のラッキー星座はてんびん座！　思いがけないところで手助けがありそうです。素直に協力を求めると吉。それでは、良い一日を！」

　テレビを消すと、私はくだらない遊びに付き合わされた退屈感で仕事に向かわなければならない。

「占いに人生の一部を任せるなんて、本当にくだらないわ」

「確かに統計や確固たる証拠があれば不安は少ない。しかし非科学的で好奇心から来る探究心もまた人間に必要なことだ」

「私はジェフがいれば何も要らないわ」

「なら私がタロットを習得しようとしたら、あなたは止めるのか？」

「多分止めるわね。それよりもタロットがどうして流行したのか、その歴史書を薦めるわ」

「一般的なアーカイブなら歴史書はいらないが……」

「アーカイブとしてダウンロードできる書籍は決まっているわ。ダウンロードできない本で知識を膨らませて、あなたの思考する幅を広げるわ」

「あなたらしい」

　知識の探求は人間もアンドロイドも変わらない。占いの不確定要素は一時の安心感は得られるが、占いに依存して精神を病む人は一定数いるのも事実。なら私はジェフと一緒に考えながら、好きな時間を過ごしたい。

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