Day12 門番

 新しい家族が来て早一週間。捨て猫だったまだ生後数ヶ月のアンバーはすっかり家に馴染み、たまにジェフと出掛けたら玄関で待ち構えている。今日は仕事が片付かずジェフに買い物を任せると、やはり玄関で待っている。

「アンバー。ジェフはまだ帰ってこないよ」

 私の方には見向きもせず、ただ尻尾を振っている。

 丁度定時を迎え一人きりのコーヒータイムを楽しんでいると、ようやくジェフが帰ってきた。するとアンバーはシューズボックスを伝ってジェフの肩に飛び乗り匂いを嗅ぐ。ジェフ本人かどうか確かめているようだ。

「お帰り、ジェフ」

「ただいま。今日の門番は一段と念入りだな」

「みゃー」

 チェックが済んだようで、アンバーはまたシューズボックスを伝って降りる。

「アンドロイドは体臭がないから、ずっと怪しまれるんじゃない?」

「そうかもしれないな」

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