多少は虚勢を張れ
小説書いてて、一番辛いところは「面白くなかったらどうしよう」というところだと思います。もうこれはみんなそう。自分だけじゃないから安心して。きっと芥川龍之介もトルストイも「マジ自分書いたの受け入れられなかったら鬱だわー」と思った日もあるに違いない。
とはいえ、時代も下っていろいろ生活のあり方とかなんやかんやが変わった時代。「太宰治は同人誌を出していた」というと「薄くてえっちな漫画を描いていた!?」と思う人もいるかもしんない。いや、太宰治的にはえっちなの書いてたかもしれないけど。
でも、紙と印刷の時代は終わって今や誰でも作家にだけはなれる時代。まさになろう時代の到来ですよ。出版社に持ち込まなくても家にいながら不特定多数に作品を見てもらえる。サークルとか結社とか入んなくてもいい。もしインターネットがあったら、60年間誰にも作品を明かさずに死後「捨ててくれ」と言われたものを改めたらとんでもない長編小説を書いていたというヘンリー・ダーガーとかもバンバンなにかしらを投稿していたかもしれない。
でも、インターネットでいろんな作品に触れれば触れるほど、周囲の人間の書いたものがめちゃくちゃ上手に見えることがある。「こんな発想どうやったら思いつくの」「こんな綺麗な文章私には書けない」「絶対私の作品は面白くない」などなど……。
感想募集スレなんかを覗くと「初心者で下手です」「自信がありません」「文章がうまくないです」など、自分を卑下するような文言が目立つ。ただ経験からひとつ言えるのは「過度に謙遜した前置きのあるものは読みたくなくなる」というところである。
だって「どうせ下手なんだから読まなくていいよね」って咄嗟に思ってしまうもの。下手なのはみんな読みたくないからね。「下手ならオジサンが添削してやろう」みたいなのも世の中にはたまにいるけど、過度な謙遜はそういった良からぬものを呼び寄せるから注意が必要だと思う。
そういうわけで、小説の前置きを書くならこんなふうに書いてほしいな、と思うのです。
「初心者ですが、一生懸命書きました。どうぞ読んでください」
まず「誰か読んでくれ」と作者が強く願うのが、作品にとっても大事なこと。下手かどうかは読者が決めるので、作者はある程度どーんと構えるのがいいと思う。この世界、度胸は大事よ。何か知らんがいろいろ言い切ってる人が生き残っていく世界だから……。
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