プロット・あ・ろっと
みんな好きねえプロットの話。
このエッセイは主に「好きに書けばいいけど他人に迷惑かけんな」という観点で書いています。だから「プロットを書け」「書かなくてもいいじゃん」という話ではなく、自分にあった方法で書けばいいじゃんというのは繰り返し書いておきます。
そういうわけで、「プロット書け」はもちろん大正義なのでその話ではなく「プロットなしでも書けた方がええんとちゃう?」という話をしておきます。
正確に言えば「プロットなしで何文字書けますか?」というところかもしれない。もし毎回必ず詳細なプロット用意して書く人がいたら是非挑戦してみてほしい。
ちなみに拙著だと短編企画に参加したものはほぼプロットなしです。「白馬王子」「妄想伯爵令嬢」は結末だけアバウトに考えて後は大体ノープラン、「真綿の時間」は完全にアドリブ。ふたつともプロットはないに等しいです。そのせいで大反省材料もあります。
プロットなしで書くことの利点は「早く書ける」ことです。思いついたことをばーっと書けばいいのです。いちいちキャラ設定だの何だのはやりません。その場で辻褄をひたすら合わせて行く感じです。
ただ、作中の進行が止まると戻って来れない危険性もあるのがプロットなしの怖いところ。
例えば「妄想伯爵令嬢」では最後にきれいな失恋を主人公にさせる必要があるのですが、最初は相手が「実は来月結婚するんだ」という予定でした。しかし出来上がった主人公像とこの台詞を組み合わせても「相手を寝とってやるわ!」みたいになりそうでボツになりました。
つまり、「完全に百年の恋も覚める設定」が急遽必要になりました。この時点で半分くらい書いてます。そこで「どうすればお嬢様は心底慕ってる殿方から心を離すか」と考えた結果は実際に読んでほしいと思います。2万字ないのでサクッと読めます。
https://kakuyomu.jp/works/16817330665405158306
辻褄だけは全て合ったのですが、とにかくなろうでは大不評でした。恋愛じゃなくてラブコメとかにしときゃよかったのかな……。
そういうわけで、見切り発車はこのような試練もあるし、自分の悪いところもよく見つかります。ただ、それはそれで楽しいのですよね。特に「ここから先辻褄が合わない!そうだ、こうしよう!」みたいなのは作家の醍醐味だと思います。普段必ずプロットを用意する人も、試しにプロットなしで書いてみませんか? 面白いですよ。
そんで「プロットなしで書ける文字数を把握しておく」が出来ると、長編を書く際のプロットの書き込みが減ります。初めと終わりさえ決めて、あとは突っ切れるということが出来るようになると執筆スピードがグンとあがります。小説筋肉を鍛えるつもりでやってみるといいと思います。三題噺やお題のある短編企画に参加するとモチベーションも維持できていいですよ。
まもなくカクコンの季節。
プロットなしのススメを書きましたが長編の際はプロットを書くことを強く勧めます。それじゃ頑張って書こうねー。
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