ちょっと厳しこと書かれたからってアカウント消すな

 これは昔話。前もちょっと書いたような気がするけど、自分の中で「小説を公開すること」について考える機会をくれた話です。わりと考える話です。


「コメント書くよー企画」というのを昔別の場所でやってた。そしたら「小説書くの大好きです!」って豪語するアカウントが現れた。ただ、圧倒的につまんない。


 なぜなら、小説というより思いつきの羅列というか、書きなぐった設定集のキャラの掛け合いだけのようなものだったから。そんなのを何作も読んで読んでと来るので正直に「ここをこういうことをした方がいいよ」ということを書いた。「私は小説を書くのが好きなんです!」とめっちゃアピールしていたのできっとアドバイスも受け取るだろうなと思った。


 そしたらね、めちゃくちゃキレられたの。それでそのアカウントいなくなったの。


 なんだろ、どうすればよかったんだろう。


 もう随分昔のことなのだけど、今でもどうすればよかったのか図りかねている。他の参加者もいる中でコメントの質を落として「んー面白いねえ」とひとりだけ適当に書けばよかったのか。我慢して面白そうなところを捻り出して褒めちぎればよかったのか。


 今ならわかる。多分、一生懸命書いた作品を否定されて自分も全否定された気分になったのね。


 ただね、企画の意図はわかっていると思うの。他の参加者へのコメント見ればただ褒めてるだけじゃないのわかると思うんだ。そこに「読んで読んで」と突っ込まれたら、同じような形でコメントするしかないじゃない。


 おそらく、自分の作品を公開する覚悟みたいな質が違ったんだろうなと思う。「私は小説を書くことが好き!」「寝る間も惜しんで書いてる!」「アイディアがどんどん湧いてくる!」というようなことがカクヨムでいう近況ノートに書いてあったので「アイディアをまずまとめたほうがいいですよ」というようなことを書いた感じ、だったと思う。それで「そうか!アイディアをまずは整理すればいいんだ!」ってなるかなぁと思ったんだけど、ならなかった。


 ここからの教訓なんだけど。


「私は小説を書くことが好き!小説家なの!」とアピールするアカウントは高確率で折れる。


 作品整理のためにアカウント消すとかならわかるのですが、こういう感じでアカウント消されると「お前本当に小説書くの好きだったんか?」と思うの。


 野球を始めて野球が楽しい。それで「僕の素振り見てください!」って草野球チームに行って「お前持ち方がちょっと違うぞ」と言われたら「何だと!」となる感じが小説を公開する際には一部あると感じている。


 それで一番損するのは本人より持ち方にダメだししたおっちゃんなんだよね。「どう言えばよかったかな」ってずっとグルグルして、本人のモチベーションも下がっちゃう。もう何もかも嫌になっちゃう。また何か言って嫌なこと言われたら嫌だなあって思う。


 そういうわけで、「読んで読んでー!」をやる時も気をつけてほしい。コメント書くときに相手があることだと意識するのはもちろんだけど、相手に読ませるという時点でもう相手は発生してるの。


 そして、ネットの向こうの人は自動褒め機じゃない。どうしても絶賛しか受け付けないのであれば、生成AIにでも褒めてもらいなさい。公開した以上、つまらないと言われるリスクは絶対に存在する。


 そこで「畜生、もっと面白いの書いてやるぜ!」となってほしいけどみんながみんなそういうガッツがあるわけでもないよね……だから、変に「小説書くの大好き!」とアピールしないほうがいいって話になるの。好きなら上達したいだろう、って周囲は思うもの。「もっと上手になりたーい!」とか書かれたので「じゃあこうすればいいよ」と書いたら拗ねる。なんでやねん。


 この話を読んで「そんな人がいるのか」と思う人もいるかもしれない。いたんだよね、実際。


 今思うと、多分他人と関係築くの難しい年頃、小学生とか中学生だったんじゃないかなと思う。カクヨムというかこう言う場所には若い人が結構多いのでなんかそんなことを思い出すのです。


 まー、そのアカウント消しちゃった人は若気の至りということでリセットして何処かで何か書いてるといいなと今なら思うの。小説を書くのが好きなら、それでいいじゃない。おしまい。

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