たかがタイトルされどタイトル

 よく言うじゃん。


「小説の看板はタイトルとあらすじです!」とかって。


 いやそれは間違ってないと思うよ。


 だけど、Web小説やるならもう1個そこに付け加えてほしいものがある。


「各話にちゃんとサブタイトル付けろ!」


 カクヨムだとデフォルトで「1話2話3話」とやってしまったり、「ep.1ep.2」「Act.1Act.2」「其ノ壱其ノ弐」などカッコよくしてみたり、そういのはわからないでもない。


 だってサブタイトルをいちいち考えるのめんどくさいものね。タイトルだって悩むのに、サブタイトルなんか~!なんてね。ただ、個人的にはサブタイトルをちゃんと考えることをオススメしたい。これにはちゃんと理由がある。


 ひとつは、特にWeb小説ではサブタイトルも作品の顔になるからだ。例えばタイトルとサブタイトルだけで作品の雰囲気はかなり出せる。


『激甘スイーツでとろけさせて☆』

 第1話 お前のせいだ

 第2話 死んでやる

 第3話 死後の世界

 第4話 子守唄は包丁研ぎ

 第5話 お前が私を殺したんだ


 もうタイトルとサブタイトルに乖離が激しくて一体何が始まるのやら、となりますね。これで興味を持たれるのも興ざめされるのも匙加減なのですが、サブタイトルの持つ力は伝わると思います。例にあげた作品はサブタイトル通りの内容ならタイトルを『化けて出てやる!』とかにしたほうがよさそうですね。


 もうひとつは、サブタイトルを意識することで中身がまとまる効果があります。プロットを作る際もサブタイトルを決めながら作成すると、作品と文章の方向性を揃えることもできます。


『魔王を倒しに行く勇者の話』

 第1話 俺が勇者だ!(1000)

 第2話 ヒロインは魔法使い!(1500)

 第3話 仲間の剣士は幼なじみだぜ!(1500)

 第4話 頼れる姉御肌の僧侶!(1500)

 第5話 みんなで魔王をぶっ飛ばすぞ!(2000)


 これで各2000文字以内に文章を収めると、各章でそれぞれの紹介に特化することになり、10000字以内でキャラ紹介を終えることが出来ます。


 第6話 次の街の街道(1500)

 第7話 モンスターが出たぞ!(1500)

 第8話 みんなで戦うぞ!(2000)

 第9話 モンスターを倒すぞ!(3000)


 これが同じ文字数で同じ内容もこんなんだとどうですか?


『魔王を倒しに行く勇者の話』

 第1話 パーティ紹介(7500)

 第2話 モンスター戦(8000)


 一気に臨場感なくなりますね。これがWeb小説でサブタイトルも工夫するべき要因のひとつです。サブタイトル眺めるだけでどういう作品なのか想像しやすいですね。


 そういうわけでサブタイトルはなるべくつけてほしい。サブタイトルは作者自身にとっても「今こういうのを書いているよ」という指針にもなります。それによってダラダラ登場人物が会話するのを防いでくれます。


 小説、長けりゃいいってもんでもないですからね。まとめるところをしっかりまとめることが割と大事になってきます。今日はそんなところです。

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