再び唐揚げを揚げよう

 久しぶりの更新になります。飽きたわけではなく、連載のほうなどを死ぬほど書いてました。死にそう。死んでた。「小説書くのに疲れた人」になってました。もうすぐ第一部完結で、大体書ききってはあるので後は予約投稿するだけになってます。よかったら読んでね。


 さて、ネットを見てると「導入はこう」「キャラの相関図はこう」「感情の起伏はこう」みたいな創作論が盛んに取り上げられています。それを見て「真似してみよう」「やってみよう」と思うのはわかるのですが、それに固執してしまってる人もいるのかなーと思って書いてみます。


 ところで、お話を作るのに必要なのはなんだと思いますか?


 初っ端を唐揚げに例えたので、また唐揚げでいってみましょう。言うなれば創作論はガスコンロであり、天ぷら鍋であり、ボウルやおろし金、包丁にノンフライヤーです。要は調理道具と呼ばれるものです。もちろんここを良いものに揃えることに越したことはありません。油の温度を測る温度計があったほうが正確に揚げられますし、フードプロセッサーのようなものでニンニクをすりおろした方が楽ですよね。


 じゃあアイディアや構想なんかはどこに当てはまるのかと言うと、ニンニクやしょうが、その他の調味料に小麦粉や片栗粉、その他唐揚げ粉や油の種類なんかになります。ここにオリジナルの味付けをすればオリジナルになりますし、市販の粉を使えば安定した同じ味になります。


 次はお肉なんですが……なんだと思いますか?


 実はここを疎かにしているといい調味料や調理器具を揃えてもうまくいかないんですよ。さて、それは何かと言うと「文章を書く体力」です。


 例えば文章を書きたくてもそもそも鉛筆持ちたくないとか集中力がなくてすぐソシャゲやっちゃうとかそういうところから、ひとつのお話にじっくり取り組まないでアレコレ手を出した結果どれも完結できないとか、そういうことです。


 再三「お話は完結させろ」と言っていますが、サザエさん形式でないならばやはりお話は完結させてナンボなのです。宮沢賢治も向こうの世界で「あー! 銀河鉄道の夜もオツベルと象も校正しようと思ってたのに原稿まんまで教科書になんか出さないでー!!」とか思ってるかもしれません。それでも一応お話は最後まで到達しているので、やはり最後まではやりきるべきなのです。


 ついでに、ひとつのものごとをやりきるというのも自信になります。自信がつくと次もやりたくなります。そうやってるうちに体力も集中力も養われて、やってるうちに技術も向上します。


 つまり何だ、「導入はこう!」「キャラ設定はこう!」という技術は楽しいのですが「自分ならこうできる、こうやる、今はこのくらいできる」という客観視がないと自分の身にも何もならないわけですよ。その材料こそお肉であるフィジカルな部分の文章体力と集中力で出力した作品なわけです。


 最初はみんな素人なので生焼けだったり焦げたり調味料間違えたりするかもしれないのですが、それでも「唐揚げを揚げよう」という気持ちが具現化しただけで唐揚げ業界としては万々歳です。さあどんどん唐揚げを揚げましょう。


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