ご都合主義は許されるのか
結論から言えば、これを書いてる人は好きじゃないです。正確に言えば「理屈のない展開」が好きではありません。
例えばよく「ただ女の子とイチャイチャしたい」「ただ俺TUEEEEがしたい」「ただ流行りに乗っかった」みたいな小説、嫌いではありません。そこにひとつストーリーが存在するなら、全ては物語です。
要は何が言いたいかと言うと、筋の通らないものはご都合主義だよということです。「イチャイチャしたい」の例で言えば「超モテモテの実を食べたので女の子が何も言わなくても脱いでくる世界」とか「男子が激減したため女子に管理され飼育される世界」とか、そういうのならいいんですよ。ぶっ飛んだ設定でも設定は設定なので、設定内でイチャイチャするならそれはストーリーです。
ご都合主義は、例えば「ものすごい美人で巨乳のダークエルフを助けたところ、主人公に一目惚れしてついてくる」みたいなものです。ここで設定しなくてはいけないのが「主人公が一目惚れされるべき要素」「ダークエルフがものすごい美人で巨乳であるべき必然性」「ダークエルフのピンチを主人公が助ける必然性」など意外と多いんですよ。
特に気をつけないといけないのが「冴えない僕が異世界転生したら」というところです。例えばチートスキルで超絶イケメンになっているからダークエルフは惚れたのだとしても、「顔だけ見て惚れてついてくるならそのダークエルフろくなもんじゃないのでは?」となるし、女性経験ゼロで冴えない僕が内面でいきなりダークエルフに惚れさせるのも難しい。
要は「書きたいこと」には説得力が欲しいということです。しばしばプロットを書くべきか書かざるべきかという論争が起こるけど、この設定の齟齬を探すという意味でも書くべきだと思うのです。「面白ければいいじゃん」というのもわかるけど、「正義の味方なのに殺戮大好きヒャッハー」みたいなのはやはり気になる。それをやるなら説得力ある理由が必要で、そうなると小説というのは「ありもしないことを信じ込ませる説得力が第一」ということかもしれない。
さて説得力ってどうやって鍛えるんでしょう。それこそたくさん小説(できれば書籍)を読んでパターンを掴むとか、歴史や自然科学を勉強するとか、理屈で考えながらノベルゲームをするとかですかね。
そんなことで次回は「説得力ある設定」についての話です。最近わりとネタ切れで搾りきって書いてます。夏の創作祭の間は搾りながら書きますので最後の一滴まで頑張って書きましょう。
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