設定は小出しにしよう

以前「プロローグいらない問題」にて、変なポエムはいらないということの他に「冒頭からよくわからん設定が流れてくるのが嫌だ」という話がありました。


ワークショップ聖女でもプロット段階で「冒頭では2人の素性を明らかにしない」と書きました。これは何故かと言えば、「この少女は聖女。閉じ込められてて可哀想。そこに彼女に恋をしている吸血鬼が来ます」と書いてしまえばもうそこから先読む必要なくなりますからね。


「いや、読者に設定は知ってもらわないと」と思うけど、この話で一番やりたいことは「悲恋のエモ」であって、「聖女の設定」ではないのです。


アインツ王国のツヴァイ領にドライ教の聖女フィーアがいた。彼女はフュンフの祝福により神ゼックスを信仰するジーベン司祭の手によりアハトの塔に幽閉されていた。そこへ夜な夜なノインを名乗る者が現れ………


いやいやいや、読者は別にアインツ王国だのドライ教だのはどうでもいいのよ。まず知りたいのは「主人公はどんな奴だ?」じゃないかな。


余談ですが、今出したあまりにも安易な固有名詞からわかる通り、この作者は本当にファンタジーの固有名詞作るのかなり苦手です。中村うさぎが「有名な俳句からキャラの名前を作る」というのすっごくわかる。


じゃあどうするのかと言えば、「その設定にぶち当たったら説明する」方針にします。例えばアインツ王国という名前を伝えたい場合は最初に「ここはアインツ王国」と書くのではなく、キャラクターに説明させます。


「もうすぐ祈りの日ですね」

「それはアインツ王国始まって以来の盛大な祝祭です。ゼックスの教えに祝福あらんことを」


もうこれだけで固有名詞がふたつ盛り込めました。これで読者は「ここはアインツ王国って言うのか」「ゼックスというのが宗教か神の名前かな?」と読んでくれます。


つまり、冒頭で如何に主人公たちの設定をさりげなく盛り込める会話や行動が仕込めるかというのが大切になってきます。逆に言えば、冒頭に盛り込めない設定というのは不要かもしれません。例えば「ツヴァイ領」「ドライ教」というのはこの後本編で使われない可能性が高いです。思い切ってなかったことにしましょう。


でも作者としては「せっかく考えたんだから使いたい!」と思うかもしれません。その気持ちはわかります。でも読者からすると不要な設定はノイズになります。はっきり言うと、特に短編では不要な設定はボツにしたほうがいいです。その設定はどこか別の場所で使いましょう。


そろそろ「真夏の創作祭」のために毎日更新頑張ってるけど、ネタがそろそろ思いつかなくなってきた。この調子で最後まで走り抜けるのか……???


それでも書け、書くんだー!

やればできる!

なんだ、何を語ればいいんだ!?

考える!

頑張って書く!以上!

(明日も続く予定です)

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