ワークショップ聖女⑦「短編の構想」
前回は聖女と吸血鬼の恋愛ものの作品を短編で書くことに決めました。今回は短編にまとめるように書くべきシーンを決めて、お話の結末も考えます。
まず、外せないのが冒頭でイチャイチャする二人。夜空に星を飛ばして月明かりの下で二人だけの空間を作ります。見せつけやがって、畜生!というくらい見せつけます。
そして見せつけたところで、聖女の状態の説明に入ります。具体的には昼になり、塔に閉じ込められている聖女の様子を書けば伝わるでしょう。冒頭を読んで夢見る方なら「この二人が上手くいくといいな!」と思うでしょうが、この恋は上手くいかないだろうということがわかって読者は不安になります。しかし恋の障壁があったほうが物語としては盛り上がりますよね。出会ってすぐ合体したら話が終わってしまう。
さて、短編なのでサクっとエモさを演出しましょう。相容れない恋愛を書く場合、何らかの悲劇が発生します。駆け落ちエンドにしてもそれまで育った環境を捨てなければならないため、めでたしめでたしにはなかなかなりません。そもそもめでたしめでたしにしたかったら悲恋なんか扱わない方がいいのです。
悲恋にしない場合、ドキドキ恋の駆け引きがポイントになります。逆に悲恋の場合は駆け引きなんかしちゃいけないですね。相容れない恋愛なのに「彼にどうすれば振り向いてもらえる?」なんて悠長なことは言ってられません。「好きになってはいけない人を好きになってしまった、どうしよう」「この想いを知られたら死んでしまうかもしれない」というのを煮詰めて、思い余ってどうのこうのが悲恋の醍醐味です。心中、ストーカー、失踪、その末路にろくなものはありません。
さて、今回も悲恋のセオリーに従って結ばれないエンドにしましょう。聖女が祈れば吸血鬼は死ぬ。つまり祈らなければいいのです。思い余った聖女は自分が死ねば吸血鬼は助かると思います。そこで塔から身を投げます。しかし、聖女に死んで欲しくない吸血鬼は聖女を助けます。結ばれない悲恋に嘆く二人に無情にも朝が来て、吸血鬼はそのまま灰になります。聖女は吸血鬼のために祈り、自身の勤めを全うするのでした。
なんてことだ!
なんて悲しい話なんだ!
うおおおおん!!
そんな感じで大体のお話が完成しました。次回はプロットとして仕上げていきましょう。それでは張り切って書きましょう。
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