読書感想文を書こう
夏休みだ。
夏休みといえば、夏休み読書感想文コンクール。
こんなものを読んでいる方々はそんなことは無いだろうと思うけれど、大抵の人は読書感想文なんか嫌いだと思う。
「課題図書なんてつまんねえ」
「何書いていいかわからない」
「いい子ぶらないといけない」
ふむふむ。言いたいことはわかるぞ、「私はこの本を読んで、戦争の悲惨さを知りました。ノーモアウォー。ノーモア争い」「私はこの本を読んで差別の悲しさを知りました。ノーモアヒバクシャ。ノーモア原発」みたいなのを先生は望んでいると思ってるのではないだろうか。
いやいや、先生だって人間よ。お目目キラキラにして「人類皆平等!ゴールはせーので手を繋いで!」みたいな人ばかりじゃない。「暑いのにクソだりーんだよ、適当に全員提出しとけ」くらいのノリです、多分。
「小説は書けるのに読書感想文は書きたくない!不思議!」という人もいると思うので、読書感想文のダルさの秘密の一端を種明かしすると、おそらくは「手書き」に皆が躊躇するのだと思う。あの原稿用紙に綺麗に書かなきゃいけないんだ、というプレッシャーがひとつ。そして何文字も書かなきゃいけないというプレッシャーがひとつ、更に「何を書けばいいのかわからない」という見通しの悪さというプレッシャーが重なってプレッシャーだらけだ。もう読書感想文までたどり着かない。
つまり見通しをよくすればいいのだ。最近は読書感想文を書くテンプレートを一緒に配布したり授業で書き方を教わったりなどもあると思うけど、書き方さえわかれば読書感想文はそれほど難しいものではない。要は「僕は本を読みました」「こんな内容でした」「僕は本を読んでこうありたいと思いました」があればいい。その内容さえ決まればあとは書くだけ。そういう点では課題図書は戦争や多様性など書く内容が決まっているのでわりと書きやすい。
課題図書はつまらないわけではないが、説教臭さは半端ない。戦争の話で「戦争はいけないと思いました」とか障害者の話で「やさしくしないといけないなと思いました」とか、そう書かなきゃいけないと思うとなんかタルくなるよね。ダルいまでいかない。タルい。
とはいえ、戦争の本を読んで「次は何処に核が落ちるかな(ワクワク)」とか障害者の本を読んで「やっぱ〇〇〇〇はキモイわ」とかいう感想は出てこないと思う。少なくとも「大変だ、かわいそうだ、なんとかしなきゃ」という視点には立つと思う。でも自分なんかがそんなこと思っても世間の賛同がなければ実現しないだろうし、明日から世界平和のために生きると言っても何ができるかわからない。
実は読書感想文で一番面倒臭いのは、そういう自意識と折り合うことなのかもしれない。出来ることなら面倒臭いことは考えたくない。何も知らない方が楽に生きていけるから。知ってしまえば一生責任をもって関わらなきゃいけないと思うと、本を読むことすら億劫になる。そういうところでどう義務的に課題をこなせるかも、読書感想文には必要なスキルなんだろうな。別に世界平和を訴えることもみんなにやさしくするのもそんな作文書くほど大層なものではないのだと気がつくのは、多分大人になってからなんだろう。
さて夏休み。暑いけど書いていきましょう。
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