収納は結局何を入れるかだ
収納が好きです。LDKの収納グッズ特集やお掃除動画が好きで、よく眺めています。自分の家がきれいかどうかは置いておいて、そういうのを見るのが好きです。
さて、小説を書くと言えば「引き出し」の話ですね。文章術やプロットの立て方なんかはいろんな本を読むとして、その他作品を書くための知識をどう手に入れるかって話です。
例えば「異世界の話を書きたい!」と思ったら、どんな観点から世界を考えるといいでしょうか?そしてどんな本を読むといいでしょうか?
割とオススメなのが「世界史の教科書」です。この世界の成り立ちを勉強することで異世界の成り立ちも自ずと見えてくるはずです。
まあでもそんな勉強の本より、「創作に役立つ宝石図鑑」とか「武器大全」とか、そういうの読みたくなるのはわかる。そんで喋るサーベルとか誕生石の精霊とか登場させたくなるのもわかる。そう、そういうのは楽しいしいろいろアイディアを出すためには必要なものでもあると思う。
ただ、そういう図鑑は知識の点であって、線にはしてくれない。いくら公侯伯子男を書いていたとしても、実際彼らが何をしていたかを理解していないと「ただのスパダリ装置」でしかない。点を線に、線を面にするにはやっぱり繋げる技術が必要で、それの手っ取り早いのが世界史の教科書だと思う。
要はお話のパターンを用意しておくのはかなり大事だと思う。例えば異種族の嫁さんが出てくれば「異類婚姻譚かな」とか実は勇者の血を引いていました、みたいな奴は「貴種流離譚かな」とか、顔才能家柄最強スペック(ただし女性と幸せになれない)なら「光源氏かな?」とか……。
神話を読む時には「ミョルニル!」「ケルベロス!」とアイテムに注目するよりも「ギリシア神話は比較的奔放だな」「北欧神話は常に戦ってるな」みたいになって……最終的に「神話ってこの世の成り立ちの説明だから、みんな大体エッチだな!」となる。まあエッチなことがないと物事は誕生しないので……。
そうするとやっぱりエッチなこともある程度知っておかないとお話に深みは出ないし、エッチなことだけじゃお話はただの猥談になる。それをどうするか……次の引き出しは何か。この世の成り立ちの神秘性から宗教か、それともただ二人の人間の発生から始まる恋物語か、恋愛なら身分差、心中、悲恋、恋愛成就、聖なる娼婦……古今東西様々な恋愛の形があるのでどれを選ぶのか。
何となく形が見えてきたら、主人公たちのイメージを掴むために「宝石図鑑」を見てみようか……そんな時に宝石図鑑の出番になる。
もちろんいきなり宝石図鑑を見て宝石の物語を考えるのも楽しいと思うのでこのやり方が絶対だとも思わない。ただ昔「小説を書きたい!アイディアを探す!」という人がよくそういうのを眺めて話を作ろうとしていたのを思い出して書いてます。
なんて言うか、収納グッズが大好きでいろいろ買うけど、中に何も入れないで手前にどんどん溜まっていく人みたいなものをイメージします。もちろん収納グッズは大事なんだけど、置き場とか考えないでただアイテムを買い漁るとチグハグな部屋になっちゃう。まずはひとつ「世界」を作りたい。
そういうわけで、次は「ドラゴンが支配する土地」というワードからどれだけ世界が作れるか考えていきたい。これを読んだ人も試しに考えてみてください。まず何から考えますか?
何故ドラゴンが支配しているのか?
主人公は誰に設定するべきか?
人間とドラゴンはどういう関係?
そもそもドラゴンじゃなきゃダメ?
その辺を考えて、次回考えてながら書いていきましょう。
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