偉い人と「承認欲求」
この創作界隈に本格的に足を踏み入れてまだ時間は短いんだけど、「偉い人」ってのがいるなあと思う。書籍化した人、批評が上手い人、創作論を語る人……などなど。
これからする話はWeb小説界隈に限らずよその創作界隈やブログ界隈、子育てクラスタとか同人サークルなんかでも当てはまる話なので「あーそうか!」と思い当たる人は気をつけて欲しいなと思う次第です。
まず、「偉い人」について。ちょっと前に「ラノベ作家は嘘松(誇張したりでっち上げのエピソードを語って注目を集めようとする行為)しないとやっていけないの?」みたいな記事を見た。これは「ラノベ作家」だから嘘松をするのではなく、ラノベ作家として「注目」されるようになったから嘘松に走ったと見るのが個人的な見解。
どういうことなのかと言えば、ラノベ作家になって書籍化されて作品を多くの人に読んでもらえば、そりゃ嬉しい。色んな人に「面白いですね!」「期待しています!」なんて言われる。嬉しい。もっと褒められたい。
でも自分の実力はこんなもんで、もう褒められるネタがない。褒められたい、注目されたい、構って欲しい、常に自分についてのコメントが欲しい、ああ、誰かに言及されたい……せや!テキトーにオモロいこと言うて注目集めたろ!
はい、嘘松ツイで炎上のいっちょあがり!
別にこれ、ラノベ作家に限った話ではなくスシローで醤油差し舐めちゃった高校生もだいたい同じ心理だと思う。注目されたい、構って欲しい、愛されるよりも愛したい、マジで。いい加減で頼りないことのようですが、こうなってしまう人はどんな業界でもランダムに発生していると思うのです。
つまり、今フォロワーが多い人というのは潜在的に誰でもスシロー少年になりうる恐れがあるということです。ある日ポンと本音を漏らして大炎上。どうでもいい嘘をついて大炎上。別にラノベ作家に限った話じゃないね。
さて、ここからはスシロー少年の側ではないと思っている人達の話です。実は、スシロー少年は「作れる」のです。その作り方は……
絶賛コメントをする!
これだけです。
「〇〇さんの作品読みました!素敵でかっこいいですね!」
「〇〇さんはセンスありますね!」
「〇〇さんみたいに上手な文章が書きたいな!」
ああそうか俺は才能あるんだなぁこんなにも絶賛のコメントが寄せられたら俺頑張らないといけないよなぁえへへえへへ、仕事辞めて小説だけで食っていけるかなぁデヘヘデヘヘ。
「〇〇さんなら書籍化間違いなし!」
「〇〇さんのすること応援します!」
「〇〇さんの作品宣伝します!」
うわぁこんなに応援してくれてる人がいるんだ、俺はなんて幸せ者なんだろう!よし!仕事辞めてやる!俺は作家業一本で食っていくぞぉ!!
……なんだ、どうしてPVが伸びないんだ!?作品の宣伝だけじゃなくてRTした作品を読みに行くもやってるし、スペースで応援も募ってるし、流行も取り入れてるし、偉い人の本も読んで参考にしてるし、公募の受賞作品もちゃんと読んでるのに!どうして俺は認められないんだ!
「〇〇さんはすごいですよ!」
「〇〇さんの新作楽しみにしています!」
「〇〇さんのこと、大好きですよ」
そうだよな、俺悪くないよな、俺愛されてるよな。みんな俺のことわかってないだけなんだ、もっと俺の認知度を上げないと……失業保険がそろそろ切れる。どうしよう、そうだ、どうせネットなんて匿名なんだから何言ってもバレないだろう……。
……まあこれは極端な話だけど、要はフォロワー多い人は自分が偉いって錯覚しがちなんだよね。そしてそう思う過程のひとつに、無駄な絶賛コメントがある。専門用語で言うところの「信者コメント」ね。
すごく人の悪い話になると、顔が見えないことをいいことにわざと信者になって対象が舞い上がって喜んで足を踏み外すのを見るのが好きな人もいます。しかもやってることは「応援しているだけ」なので罪に問うことは出来ない。
つまり、私たちに出来ることは「作品とその作者を分けて考える」「作者のプライベートまで絶賛しない」「コメントが来ても嬉しい気持ちはあっても自分の価値を全部乗せない」「所属コミュニティは複数作り、出来ればネットの外にも居場所を作る」などがありまして、要は「炎上には気をつけろ」ということです。
炎上の話になるとこのカテゴリからは外れるので、興味のある人はいろいろ検索してみてください。どういう発言が炎上しやすいか、どんな界隈ではどういう発言が憎まれるか(または絶賛されるか)はいくつかの炎上案件を観察すると見えてきますので、参考にしてもいいと思います。
今回はちょっと創作関係ない話だけど、Web小説やってくならこういう話も大事だよねということで書きました。つまり何が言いたいかと言うと「創作論ぶちまけてる奴、承認欲求の海に沈んでる説あるから用法用量守って摂取しようね」ということです。この作品も例外なしですよ!そんなわけで、気をつけて書いていきましょう。
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