ちょっとキャラについて考えてみよう

前回のあらすじ「普通とは何か突き詰めとけ」


さて、今回はそんな普通な御手洗頼光くんを突き詰めてみましょう。


俺は御手洗頼光(みたらいらいごう)。みんなからライゴと呼ばれているごくごく普通の高校生だ。

「あー、眠い」

今朝も朝飯は卵焼きか。俺は目玉焼きのほうが好きなんだ。眠いけどカバンの中身をチェックして、行ってきますと玄関を出た。


さて、このシーンからライゴくんのキャラを考えていきましょう。


まずライゴくん、この名前はどこから来たのでしょう。頼光はおそらく源頼光から来ているのでしょう。両親は鬼退治に興味津々なのか、あるいはオタクなのか、それともオタクの親友に「頼光って名前カッコイイよ!」とプレゼンでもされたのか。


ラノベあるあるで「両親が不在気味」というものがありますが、キャラを作る際に生育歴を考えるのは割と重要です。やはり物語開始時までにそのキャラがどう生きてきたかを考えるのは非常に大事です。


そうなると、やはり両親の影響はものすごく大きい。例えば二人とも仕事にかまけてライゴくんを構ってくれなかったとか、仲が良くて趣味のアウトドアに休みごとに連れていったとか、仲が冷えきってライゴくんが小学生のときに離婚しているとか、それだけでライゴくんがどんな人物なのか見えてくる。


ちなみに「普通とは」の話でするのを忘れたけど、「平凡に父は会社員で母は専業主婦」というのは多様性を追及される現代ではあまり好ましい設定ではないかもしれない。テンプレだからいいだろう、と思われるかもしれないけどいつどこで足を掬われるかわかったものではない。せめてどんな環境で育ったかくらいは漠然と考えておいたほうがいいかもしれない。個人的に小説を書くならキャラの身長や誕生日よりも父母の職業のほうが大事だと思ってる派なので、そこはしっかり考えましょう。


ライゴくんに戻ると、次に気になるのが「ライゴと最初に呼んだのは誰か」というところ。たまに「あーちゃんと呼びたいからアミと名付けた」みたいに愛称から名前を考える人もいるし、自分で呼んで欲しいあだ名を提案する人もいる。ちなみにこれを書いてる人、「俺はアツシなんでアッシュと呼んでください!」みたいなことを公言していた知り合いがいたので自分であだ名を提案するのもアリだなあとは思ってます。


ただ、ライゴくんの場合「御手洗」が気になる。全国の御手洗さんは不名誉なあだ名つけられてるんじゃないかって気になってる。頼光も気になるけどそれよりも御手洗が気になる。


ここに「ごくごく普通の高校生」の落とし穴がある。「御手洗」なんて珍しい名字の時点で「ごくごく普通」なんだろうか。しかも「頼光」もなかなかカッコイイ名前。名前の時点で「普通」じゃなくない?と思う。そういうわけで「普通」の看板は下げるか、名前を「佐藤敏夫」くらいにしてソルト&シュガーにするか考えたほうがいい。


高校生が朝起きて学校に行くシーンについては語るとこれまた長くなりそうなので機会があったらそのうち、ということにしてとりあえず自分なりに例の文を一人称で直してみる。


憎たらしいほど初音ミクが叫んでいる。好きな曲を目覚ましにするといいと誰かが言っていたのでその時好きだった曲をアラームにしたら、せっかく好きな曲だったのにだんだん嫌いになってきた。

「くそ、もう6時か」

俺は嫌々布団から出ると制服に着替える。「御手洗頼光」という物々しい名札が嫌でも目に入る。歴史好きの祖父が勢いで付けたかっこいい名前だが、本人は至って名前負けしているとしか思えない。

自室から出ると、母さんが卵焼きを焼いていた。弁当に詰めるなら卵焼きとよく作っているけど、たまには優雅に目玉焼きも食べたい。眠い目を擦りながら弁当を鞄に詰め込んで、俺は家を出た。


うーん、Web小説はテンポが命らしいから、詳しく書けば書くほどめんどくさい奴になっていく。いっそ直さないほうがいいのかもしれないな!!!


次回はネタ出しについて考えてみようかな。何かこんな題材で書いて欲しいというのがあったらコメントください。なお本人、それほどなろう系テンプレに詳しくないのでその辺の解説は多分出来ないと思います。それではのんびり書いていきましょう。

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