カスタード 生クリームと シュー生地に 混ぜ愛すぎず レゾンデートル
カスタード
生クリームと
シュー生地に
混ぜ愛すぎず
レゾンデートル
とある尊敬している菓子界巨匠が、「日本人は生真面目過ぎるいうか、とかく混ぜすぎる。均一、ムラない、一択美徳としか捉えていない」カステラのしっとり均一至上主義から抜け出せないことを嘆いていた。
フランス菓子作成にあたり気をつけることは、いかに素材を混ぜすぎないかである。
ちまたで見かけるありふれた、シュークリームの中身。カスタードと泡立てた生クリーム。大概のものが均一に混ぜられて、テロンと存在している。
そうではないのだ。
しっかりとした食感のぶりんとした濃厚なカスタードクリーム。マダガスカル産ブルボンバニラを惜しみなく。
生クリームは混ざり物なし。乳脂肪高き正しいミルクの味がする、口に入れた瞬間ふわりと蕩ける加糖は10%。
ひと掬いだけ生クリームを加え、よく混ぜカスタードを柔める。あとはマダラにざっくりと。半分ていど混ざるぐらい。
「ピン」で立てる2つのクリームその味わい。ハッキリあの味、この味、混じり合ったときのハーモニー。その多様性が、口福と脳に幸福をもたらすのだ。
まるで愛しあう二人も。そうではないだろうか?
焼きたてのシュー生地のカシリとした皮に、同梱して世界を育くむのだから。
〘名〙 (raison d'être)⸨レゾンデートル⸩ あるものの存在を正当化する根拠。存在にとっての理性的根拠。存在理由。
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