元魔王 仲間を手に入れる(1)

「ああ、そうだけど。先にあなたの獲物をとってごめんね。賢者さん」


その賢者と名乗る人は深くフードを被っていて、ローブを羽織っている。とても賢者らしい賢者だった。


「僕の名前はグエル。で、あなたの名前は?」


「私は、ミサキだ。」


「ミサキ?あまり聞いたことのない名前だな。」


「それはそうだろう。私は転生者ではなく召喚者だからな。」


「召喚者か、つまりあなたは別の世界から連れてこられた人ってことだ。そういうばなんだけど、俺の仲間になってくれないか?一人で冒険するといつか息詰まるから。いいですか?」


「だが、私は別のギルドだ。私は王都のギルドだからな。」


「え?王都。一緒じゃん。」


「同じか。ならいいだろう。仲間としてよろしくなグエル。」


「よろしく、ミサキ。」


こうして俺はミサキという召喚者の女性を仲間にした。あの後こっそり鑑定してみた


ステータス

レベル 101

武器 伝説の杖(仮)

防具 魔法のローブ 賢者の服装一式

魔法 魔法統合 スキル鑑定 弱点鑑定 重力グラビティ

称号 召喚者・・・経験値が通常の10倍になる。 

   賢者・・・杖での攻撃力が10%上昇する。

   ギルドの一人・・・地図に任務の場所が表示される。

   狂化魔物を討伐したもの・・・狂化魔物へも威力が400%上昇&討伐時の         経験値400倍

攻撃力 581

防御力 352

魔力  976


なかなかにすごい能力だった。さすがは賢者だ。でも、召喚者は可哀そうだよな。突然わけのわからない場所に連れてこられて、そこで突然勇者や魔法使いとして戦えなんて言われて。でも、それでも勇敢に生きてるんだような。ミサキさんも。どうしてそこまでして生きていてるんだよろう。聞いてみよう。


「召喚者って突然ここに連れてこられたのか?」


「ああ、ほんとに突然にな。そして、ここで魔法使いとして戦えって言われてな。だが、この世界も悪くない。何せ、これほどにまで自然にあふれた世界だからな。ほかの召喚者も似たような理由だったりするだろう。」


そんな理由で叩けるなんてすごいな。でも、確かにそれはそうだな。自然にあふれた世界だな。


「元いた世界はどんな世界だったんだ?」


「どんなか、思い出したくもない位残酷だったよ。」


そこはまるで火の海だった。どこ見ても火、火、火。こんな世界居たくもないと何度も思った。その時、目の前に突然戦闘機が落ちてきた。その爆発に巻き込まれた。そして私は気を失った。次に気が付いた時には、豪華な装飾のされた城の中にいた。どうやら死んでしまったらしい。そう思った矢先、どこからか声がする。「成功したぞ!」「だが子供だぞ。役に立たん!」「役に立つかどうかはどうでもよいだろ!実際戦わせればわかるだろ!」「見た感じ成功したが、子供だったようだな。この子供は私が責任をもって育てよう。」周りからそんな声が聞こえた。だが、育てようといった人物だけは周りの人と違う服装だった。その人は自分はこの世界で最強の魔法剣士だ。そのために、自分が死ぬ前に一度召喚しなければならないとならないという掟を守り召喚した。そして、子供である君を召喚してしまったことはすまないと思っている。そのため、私が責任をもって育てよう。と、言っていた。そして、私は、その人に育てられ、そして、立派な魔法使いになり、王都のギルドに入った。


それがミサキさんの過去の思い出したくない記憶だ。

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