第2話
①
セーラー服に身を包み、ローファーを履いて。
私こと
頭が重たい。明らかに寝不足だ。
その寝不足の原因は、分かっている。
一昨日の土曜日、私は8つ上の
もちろん、そういうことをして。
ただ、普段と同じなら私とて一日空けた月曜日にこんな死人のような顔をしていない。
沖瀬との情事が、その、いつもと違ったから。具体的には、初めて私が受けに回ったから。
私は他の女の子よりも背が高い方で。
昔から女の子らしくなくて。
いつも王子様みたいな、と言うより擦れたイケメン悪党の方が例えに合ってるかな。そんな扱いをされてきたから、その、情事だって毎回タチしかやってこなかった。
だから、一昨日は初めて私がネコをやって。その、らしくもなく、、、たくさん啼かされた。
私よりも背が低くて、私よりも女の子らしい女に、たくさん喘がされた。泣かされもした。
まさか、これが俗に言う………分からせ?
ゾクゾクッと震える。
私は自身の肩を抱いた。一昨日の夜の情事を思い出しては、昨日からずっとこうやって震えている。
怯えている、訳ではなくて。こう、何と言うか、自分でも分からないけど。顔が火照って仕方がない。
ただ一つ言えることは、誰かにシてもらうってあんなに気持ちいいんだ、ってこと。
でもやっぱり、私は女の子を啼かせる方が興奮するし、向いてる気がする。
それでも、たまにだったら自分が受ける側になっても良いかもしれない。
「(あぁ、ムラムラしてきた。放課後まで我慢できるかな………)」
私は高校の近くで停まるバスを、足をモジモジとさせながら待つのだった。
◇ ◇ ◇
下駄箱でローファーから上履きに履き替える。
私は焦っていた。
「(やばいな。ちょっと急いでトイレに向かわないと)」
バスの中でも一昨日の情事を思い出してしまって、ちょっと下着がマズイことになってる。
昨日あれだけ自分で慰めたのに、やっぱり受けを経験したことで前よりも性欲が増した気がする。
とりあえず、汚れた失態を学校の誰かに見られたら死活問題。
私は早足で二階の御手洗に向かった。
急いで目的地のトイレに入ろうとして、出てきた女の子とぶつかってしまった。
私は大丈夫だったけれど、その子は割とちっちゃい子だったから尻もちをついている。
「ご、ごめん。急いでて注意が足りて無かった」
「あ、あぅ。だ、大丈夫、、です」
「それは良かった」
私はその子に手を伸ばす。
急いでその子を立たせようとする。
………だって、そのアングルは間違いなく私のスカートの中が見えてしまうから。
それだけは絶対に死守する!!
「あ、ありがと………って、あれ?」
「えっ?」
ここでお互いにしっかりと顔を見つめ合う。
そして両方が同じタイミングで気づいただろう。
「一昨日のホテル街の女の子………」
「黒髪の子と仲良さそうな女の子………」
どうやら彼女と私は同じ学校の同じ学年だったらしい。
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