第11話:砕かれる魔術、絶望の拷問
私は一舜で最大の仇、クレーマー侯爵の前に立ち塞がりました!
「私は女ルートヴィッヒ侯爵ラウラ、母上の敵を討たせてもらうわ!」
「オットーの愚か者は矢張りしくじったか、役立たずな奴だ。
するとラウラとして奴隷競売屋敷に売られたのがステラの方だな。
おかしいと思って警戒させていたのだが、よくここまでこられたな。
それは褒めてやる、魔術を覚えたか、それとも魔道具を隠し持っていたか?
だがそれもここまでだ、俺の集めた魔道具を超えることなどできん!」
オットーはこの手で確実に殺した。
イザベラとステラが生き地獄にいるのは、男に化けて何度も確認しに行ったから、間違いないです。
そう確信できたから、ルシファーから与えられた魔術転移でクレーマー侯爵家の屋敷に飛んだのです。
魔術を反射させたり無効にしたりする結界が展開されているのに気が付き来ましたが、ルシファーの魔法は人間が使える魔法など意味がないようです。
いともあっさりと討ち破ってしまいます。
「エルンスト、貴男は信じないかもしれないけれど、私は魔王ルシファーの助力を得たの、だから人間の魔法など何の意味もないの、今からその証拠を見せてあげるわ」
私はエルンストに恐怖を与えるために、わざと大きく動いて魔法を使いました。
「何処に先に魔法を使わせる馬鹿がいる、死ぬのはお前だ!
死ね、死ね、死ね、死ね……何故だ、なぜ死なぬ?
これでどうだ、なんなのだ、どうなっているのだ、なぜしなぬのだぁぁぁあ!」
「さっきも言いましたよね。
私は魔王ルシファーの助力受けていて、人の魔法は通じないと。
貴男の攻撃は、全て無効になっているの。
ああ、もしかしたら、偽物と入れ替えられていて、魔術が発動していないかもしれないわね、少なくともルートヴィッヒ侯爵家の魔道具は全て返してもらっているわ」
そう言って私は取り返した魔道具を空中に現した。
エルンストは眼玉が飛び出すかと思われる表情で魔道具を見ています。
「うそだ、うそだ、うそだ、うそだぁぁぁぁあ!
これをくらえ、これでどうだ、なぜ火炎弾がでない?!
なぜ風刃がでない、なぜ魔蟲が現れない!」
身に着けたあらゆる魔道具を試しているのでしょう。
机や椅子に隠していた魔道具も試しているようです。
でもそのすべてが発動せず、恐慌状態に陥っているようですね。
これが私の望んでいた復讐です。
恐怖に陥れたあとで、身体に苦痛を与え許しを請わせるのです。
でも絶対に許さないのです。
許すふりをしたり、逃げ出せそうな希望を見せたりながら、その希望を全て叩き潰すのです。
「さて、そろそろ本気で復讐させていただきますね。
心配はいりません、オットーが十日以上耐えた拷問です。
エルンストならひと月は楽しんでくださると思うわ」
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