第6話:嘘と幻影・復讐の魔女が真実を揺るがす
「キャァァァァァ、ステラ、ステラ、ステラ!」
なんて醜く身勝手な女。
私だと思っている間は、どれほど残虐な目に合わせても、自分の快感の添え物していたのに、それがステラだったと分かったとたん、半狂乱になっているわ。
今から駆け付けてもどうにもならないわ。
ステラは貴方達が自分の手で生き地獄に落として壊したのよ。
本当にいい気味だわ!
「なんだ、何が一体どうなっているんだ、お前が何故ここにいるのだ?」
「まだわからないの?
それとも分からない振りをして、自分のやったことから眼を背けているの?
どちらにしても下種で愚かな貴男らしわね、オットー」
「お前は本当にラウラなのか、冗談をやっているわけではないのか、ステラ?」
「現実から眼を背けるために、絶対にありえない可能性を思い浮かべているの?
本当に卑怯者ね、貴男は売り飛ばしてしまおうとしていた私と、可愛がっている振りをしていたステラの見分けもつかなかったのよ。
まあ、貴男だけではなく、母親面していたイザベラもだけどね!」
「ウァァァァァァ、嘘よ、嘘よ、嘘よ、私はステラを愛していたわ!」
本当に五月蠅い女ね、殺したいけれど、私の手で殺す前に、ステラと同じ生き地獄に落としたいわね。
あそこに行けば、女なら誰でも嬲り者にしてくれるでしょう。
大金で取引されるとは限らないけどね。
「こんな所でじっとしていいの?
ステラがそんなに大切ならば、直ぐに助けに行くべきじゃなくて、イザベラ?」
「ステラ、ステラ、ステラァァァァァ!」
私に文句を言う余裕もないようね、まあ、あれでも母親なのでしょう。
自分が愛情のある母親だと思い込みたいだけかもしれないけど。
「何故こんな事ができた、いつ魔法を覚えた、それとも協力者がいるのか?!」
「あら、やっぱり冷酷非情なオットーね。
愛している振りをしていたステラのことよりも、強敵になるだろう私の協力者のことが気になるのね」
「好きに言っていろ、少々魔法が使える程度では、兄上には勝てんぞ。
さっさと正直に白状しろ、正直に白状したら、仲間に加えてやる。
お前ならイザベラやステラより役に立ちそうだ」
「あら、私がオットーやエルンストの仲間になると本気で思っているの?
そんなはずはないわね、時間稼ぎをしたいのね。
確かにイザベラが半狂乱になってここから出て行ったものね。
普通なら使用人が駆けつけてくるわよね。
オットーが頼りにしている騎士団長が駆けつけてくると思いたいわよね。
でもそうはいかないの、残念だったわね。
私の魔法は姿を入れ替えるだけではないのよ。
あらゆる幻覚を見せることができるの。
騎士団長はオットーとイザベラを護って生き地獄に向かったわよ。
さあ、時間はたっぷりあるわ。
母上の恨み、私の恨み、時間をかけて晴らさせてもらうわ!」
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