第5話:第3者視点・破滅の幻影・復讐の鬼が真実を暴く
「お父様、違うのです、私です、ステラです!」
「ふん、ついに気がふれたか、ステラのふりをしても無駄だ!」
ラウラはルートヴィッヒ侯爵家の使用人達に地下牢から引きずり出された。
オットーの手駒である使用人は、泣き喚くラウラを嘲笑うだけだった。
秘密の屋敷に運ばれたラウラは、好き者が喜ぶような派手な衣装にむりやり着替えさせられた、泣こうが喚こうが許されなかった。
競売は予想以上に盛況だった。
王太子殿下が大切にしていた元婚約者の侯爵令嬢を、集団で思うさま嬲り者にできるという欲望が、貴族や金持ちの嗜虐心を煽り、大金を投じさせた。
中には噂を聞きつけて急遽お忍びでやってきた隣国の貴族や金持ちもいた。
競り落とされたラウラは、無残に輪姦された。
多くの男達に上下前後から嬲り者にされた。
最初は泣いて許しを請うていたラウラが、途中からは無反応になった。
それが面白くなくなった男達は、鞭や蝋燭などの道具を使って、苦痛にのたうち回るラウラを見て笑い者にした。
ラウラは七日七晩の間、気絶しているとき以外は嬲られ続けた。
そしてついにラウラは壊れた。
痛みと恐怖と屈辱から逃げるために、正気を手放したのだ。
「キャァハハハハアハ、キャァハハハハアハ、キャァハハハハアハ」
それほど苦痛を与えても、逆に快感を与えても、ただただ大声で笑うだけだった。
こうなっては抱いても痛めつけても面白くない、大金を払う客もいなくなる。
「ラウラが狂ったそうだ。
よくもったというべきか、もっと長く稼いでほしかったというべきか。
もう少し手加減して長く稼げせるべきだったか?
だが王太子に嗅ぎつけられても面倒だし、もう処分するか?」
「それでいいのではありませんか、わたくしはそのほうが清々しますわ」
オットーとイザベラはステラとともに豪勢な食事を食べながら、生き地獄に落としたラウラのことを話していた。
三人は安全な場所にいて、ラウラ苦しんでいる事を話題にして、食事を美味しく食べるための添え物としていた、七日間ずっとそうだった。
全ての悪事は王太子に嗅ぎつけられても大丈夫なように、クレーマー侯爵家ともルートヴィッヒ侯爵家とも全く関係のない貴族が秘密に所有する、後ろ暗いことを行うための専用屋敷で行われていた。
「あら、本当にそれでよろしいの、オットー、イザベラ?」
「父親を呼び捨てにするとはどういう了見だ?!」
「お待ちになって、貴男、いったいどうしたの、ステラ?
なにかあったの、正直に話して」
「フッフフフフフ、フゥウッフフフフフ、アッハッハッハハ!」
「何を笑っている?!」
「ステラ、そう、ステラ、私がステラに見えるの、オットー、イザベラ?
私はラウラよ、オットー、イザベラ!
本物のステラは、連れ去られる時に泣いてお前達に助けを求めていたじゃない。
自分の娘が泣いて助けを求めているのに、下種な男どもに引き渡していたわね。
我が子も見分けならないなんて、なんて愚かなこと、いい気味だわ!」
ステラに化けていたラウラは魔法を解いて元の姿に戻り、オットーをイザベラ罵り嘲笑った。
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