第4話:謀略の地下牢・裏切りと復讐の舞台

 私を陥れた連中が下劣な会話を続けています。


「どうやってラウラを殺すのです?」


「すぐには殺さない。ラウラを嬲りたいという貴族は多いのだ。

 競売にかけて、一番高値を付けた者に売り渡さないとな」


「好き者が多いのですね。

 だったら一人に売らないで、輪姦を条件に多数に売れば、もっと高く売れるのではありませんか?」


「それはいい考えだな、兄上に相談してみよう」


「……いつまでもクレーマー侯爵に相談しなくても、貴男はもうルートヴィッヒ侯爵なのですから、御自身で決断されればいいのではありませんか?」


「イザベラ、死にたくなければ愚かなことは考えるな。

 兄上の恐ろしさはお前などには分からん。

 今度馬鹿なことを口にしたら、俺がこの手でお前を殺す、分かったね?!」


「ひぃ、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい!」


「分かればいい」


 オットーとイザベラが私を売る相談をしています。

 私は地下牢にいて全てを見ていまます。


 魔王ルシファーの力を借りることで、私に不可能はなくなりました。

 条件が変わったので、直ぐに売り払われることはなくなりました。

 ステラも運がいいですね、今しばらくはこの世の春を謳歌できるのですから。


 オットーとイザベラは毎日私を売り払う相談をしています。

 この話題が一番興奮し、劣情を高めて互いの欲望が満たされるのでしょう。


 こんな下劣で卑しいモノたちがルートヴィッヒ侯爵を名乗っているのです、御先祖様に顔向けができません!


 鼻が曲がりそうな悪臭がこもり、蟲が這いまわるジメジメとした床に、粗末な食事が置かれています。


 地下牢には侍女が最低限の食事を届けてきます。

 私を高値で売るためには、餓死させるわけにはいかないのでしょう。


 風邪ひかせないためでしょう、身体を拭うためのお湯も届けられます。

 貴族か金持ちに性奴隷として売るには、清潔に保たないといけないのでしょう。


 ですがそのようなモノを食べる必要はなくなりました。

 ルシファーが豪華な食事を届けてくれるのです。


 地下牢で惨めな思いをして身体を拭う必要もありません。

 ルシファーが魔法で清潔にしてくれます。


 実際問題、地下牢にいる必要もないのです。

 いえ、すでに私は地下牢から脱出しています。


 私に見えるように変化したルシファーの配下が、私の代わりに地下牢に入ってくれています。


 私はルシファーが創り出してくれた別次元の豪華な部屋で、復讐の時が来るのを待っているだけです。


 本当に待ち遠しかったです。

 一日千秋の思いという言葉の意味が身に染みてわかりました。

 ようやくその時が来ました、私が下種どもに売り払われる時が来たのです!

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