第14話
過去編2
友は虐められても、やり返さない。それに嫌な顔はちゃんとするのだ。
何よりみんなは心の底で友にずっと嫉妬していた。私にも正直あった。
友は物事の核心をつき、常に正しい行動をする。
きっと虐めを止めようとまでしなかったのは、虐めは止められないことが分かっていたからだろう。
私は友の虐めに加担する気はなかった。最悪また自分に虐めが回って来ても、友がまた協力してくれるから大丈夫だと思った。だから私は友を助ける限り助けた。
だが、友のことを助けようとした人は私以外にも居た。
それはそうだった。友のような人を女の子達がほっとく訳がなかった。
私はその光景を見て、初めて虐めようと思った。
私は上手くみんなに声をかけて虐めの順番をその女に変えた。
気持ちが良かった。私だけの友に接触する方が悪い。
友と一番居るのは私なんだから
今思うと、私の知らないうちに親の一番になる教育が私の中で効いていたのかも知れない。
そして、初めて友は私に敵意を向けた。いや止めようとしたんだ。
「三奈ちゃん、虐めをするのはやめよう」
「何でよ」
「三奈ちゃんは虐めとか好きじゃないはずだよ。」
友が初めて私に逆らった。
「他の人にはそんなこと言わなかったよね。何で私にだけ言うの?」
「それは三奈ちゃんが大切な友達だから」
「友達・・・ならなんであの女を庇うの??」
「女っ、姫姫さん?のこと?」
「そうよ!!」
「それは庇うんじゃなくて、三奈ちゃんが虐めをするから」
「私が悪いって言うの?」
「違うよ、この虐めの方式が悪い。だから三奈ちゃんは悪くない。だから悪くないうちに」
「でもこのクラスは虐めは止まらないよ。そうしないと誰かが楽しむ為に虐めをする」
「・・・そうかも知れない。けど俺は単純に三奈ちゃんに虐めをして欲しくなくて」
「それってやっぱり、つまり女を庇うってことよね」
「三奈ちゃん・・・っ!!」
私は思わず、叩いてしまった。
私は虐めをしているうちに虐めが楽しくなっていた。だからその楽しみを否定し、女を庇う友が嫌に見えた。だから叩いた。
「決めたわ」
「??」
「今度は私からアンタを虐めてあげる」
「三奈ちゃ」
友は口を止めた。自分に向かうならまだマシだと思ったから。
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