忘れる/許す
久蔵久蔵
第1話忘れる/許す
秋霞居座る獏が食む記憶
ワカラナクナツチヤツタ葉月の小声
思い出がのたうち回る秋麗
龍淵に潜む忘らるる釦よ
秋夕焼家へ帰ると探すドア
雨月やごみ箱になみなみと尿
喧嘩して口も手もでる秋笑う
何度でも歌う童謡秋の昼
背を叩き笑う大口秋彼岸
秋雨やトイレにおむつ詰まる朝
夕まぐれ案山子に太郎取られたと
金柑もぐ幼き日の子がそこに
合いの手に笑う手踊り車椅子
細切れな眠りに朝がこない秋
秋澄めり手掴みの指ねぶり食む
微笑みは菩薩に近き夜長かな
無月いにしえの言語めく呟き
宵闇や握る手の強き温もり
稲妻や光たる遠き眼差し
手を髪を撫でる窓辺や冬隣
忘れる/許す 久蔵久蔵 @hisakurakyuzo
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。忘れる/許すの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます