第12話 無神経な貴女

 既に出ている答えを何回も見つめ直して。


 夜通し考えていた。


 結果、寝らなかった。


 カーテンの隙間から差し込む朝日が腹立たしい。


「うっし」


 勢いをつけて起き上がる。


 スマホを手に取り、ゆーちゃんにメッセージを送った。


 午前中に仕事は入っていないはずだ。


 結論は出た。


 昨日の今日で、信ぴょう性が疑われるかもしれない。


 でも、真剣に考えた。


 私なりに。


 ピロン。


「はや」


 秒で返信が返ってきた。


「え、今すぐ来る? マジか」


 たしかに【昨日の話の続きがしたい。午前中に来れる?】とは送った。


 まさか、すぐに来るなんて。


 慌てて顔を洗い着替える。


 朝食は……作っている暇はないからいいや。


 ドタバタしているうちに、ピンポーンとチャイムが鳴った。


「はっや」


 うちと彼女の家は近い。


 にしたって、早い。もうちょい心を落ち着ける時間がほしかった。


 玄関に向かいドアを開ける。


「おはよう」


 朝日に負けないぐらい明るい笑顔のゆーちゃん。


 昨日なかなかにヘビーな話をしたというのに。


 やっぱり彼女は無神経だ。


 そんな貴女と、私は今日真剣に、正直に向き合う。

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