第11話 Answer
シャワー浴びて頭を冷やして。
ベッドに大の字で寝転び天井を見上げる。
恵麻姉の最後の言葉が脳内でこだまする。
「将来的に夕奈が他の誰かに奪われてもいいのか」
それは嫌だ。
吐きそうになるぐらい嫌だ。
ゆーちゃんが女性と付き合うことに抵抗がないことはわかった。
でも、男と寝たということは、別の男と結婚する可能性はゼロじゃない。
無神経なゆーちゃん。
きっと結婚式に招待してくれるんでしょうね。
彼女のウェディングドレスなんて見たくない。
考えただけで
その可能性を排除するためには。
「私が一緒になるしかないのか」
押し殺していた愛情。
叶わないと思っていた恋。
手を伸ばせばすぐそこにあるというのに、決心がつかない。
「こんな形、望んでなかった」
告白して、付き合って。
ちゃんと段階を踏みたかった。
彼女は100段飛ばしぐらいでやってきてしまったけれど。
今の私の心の中心にあるのはゆーちゃんだ。
傍にいないときも、隣にいるときも、ステージ上でも。
ファンじゃなくて彼女のことを考えていた。
ゆーちゃんに散々「アイドルなのに」って言ったのに、私だって同じだ。
ファンよりも彼女を見つめていたなんて。
アイドル失格。
これは私の罰なのだろうか。
ゆーちゃんを愛してしまった。
愛しすぎてしまった私への。
できることなら、出会う前に戻りたい。
そしたら、私の人生は捻じ曲がることはなかったはずだ。
って……え? 捻じ曲がる?
「受け入れる前提で考えてるじゃん」
彼女が言った通りだ。「バレたら」とか「捻じ曲がる」とか。
「あーあ」
恵麻姉から出された宿題。
私はどうしたいのか。ゆーちゃんを切り捨てられるのか。
答えは出てるじゃん。
自分の夢と彼女を天秤にかけたって。
「私は――」
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