三章 捨てられ悪役令嬢、邪神と引っ越す。
3-1
翌日、ロゼリアは荷物を簡単にまとめ、ネロと家を出た。ケインは昨晩家に
空には雲一つなく、絶好のお出かけ
(私、
「どうした、そんな暗い顔して。
ロゼリアの足取りが重いことに気付いたのか、少し前を歩いていたネロが
「なんなら
「いや、疲れたんじゃなくて……私、村で上手くやっていけるかなって……ほら、元とはいえ、お貴族様だったわけじゃない? つまはじきにされないかしら?」
「オレがなんとかなってんだから、
ネロは
「簡単に言ってくれるわね……なら、ネロはどうやって
「どうやってって言われてもな~……気付いたらこうなってたとしか言いようがねぇな」
「
そんな話をしつつ、昼過ぎにはケインの村に着いた。
だが、見える
村の入り口でケインが待っており、二人の姿を見ると手を振ってくれる。
「ネロ、ロゼリアさん、お疲れ。特にロゼリアさんはきつかっただろ?」
「確かに
家を出る前にネロが
しかし、長時間歩くことに慣れていないロゼリアはそれでも疲れてしまう。ロゼリアが足を止めるたびにネロが
ケインは申し訳なさそうに笑い、村の奥を指さした。
「疲れているところ悪いんだけど、今日は集会の日でさ。
「え……はい」
ケインの案内の
「あの子が?」
「ネロが拾ってきたんだって」
こちらに聞こえないように話しているのだろうが、彼らの
広場の中心に
「親父、ネロとロゼリアさんを連れてきたぞ」
「おーっす! 村長、久しぶりー」
ネロが手を振る姿を見て、その男は破顔した。
「おお! ネロ、よく来てくれた!」
ネロの背中をバシバシ
「親父、見過ぎだよ。この人がロゼリアさん」
「初めまして、ロゼリアと申します」
「ほぅ……話には聞いていたが、ずいぶんと
彼は
「挨拶が
「あ、ありがとうございます。あの、ご
ロゼリアがしっかり頭を下げると、村長の
「そう
「あ……ありがとうございます」
叩かれた背中は痛くなく、むしろ
挨拶が終わると、村人がわっとネロの下へ押し寄せて、何やら親しげに会話をしている。
すっかり人間の輪に馴染みきっているネロの姿は人と何ら変わらないように見えた。
ネロを囲んでいた男衆が
「やんちゃ坊主のお前が、たった二週間見ないうちに立派になって」
「あの子のことを大事にするんだぞ?」
「お祝いは後でちゃんとしてやるからな」
「お、おう? ありがと?」
その後もなぜか祝いの言葉ばかり投げかけられており、当の本人もよく分かっていないのか
「いやー、まさかネロが
「嫁ぇっ!?」
「いつもなら、よそから
「え? えええっ?」
「
ロゼリアは完全に理解した。初めに感じた村の人達の視線は、貴族の訳アリ娘としてではなく、ネロが連れてきた嫁に対する興味だったのだ。
ネロも頭の中で
「わ、私達、
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