「消えた記憶」
海崎 蓮
「 」[完]
いつものようにベットから起きあがると、俺は涙を流していた。
夢を見ていたわけでもなく、理由に見当つかない。
昨日のことを思い出そうにも思い出そうにも頭に靄がかかっているような、
思い出せない。
疲れていたのか、服も髪もそのままで寝てしまったようだ。
まぁいいか。
洗面台で顔を洗い、目を覚ましに行く。僕の朝の日課だ。
蛇口をひねり水が出るのを待つ間、タオルを戸棚から取り出す。
手を流れる水につけると、少しぬるい感触が指につたう。
そろそろいい感じになった。
顔を洗おうと、初めて鏡の自分に目がいく。
なんで笑ってるんだろう。
今日は朝から違和感の連続だ。そう思いながら、ポットに水を注ぐ。
朝は一杯の珈琲から始まるとか何とか、誰かが言っていた気がした。
軽い朝食を準備し終わる頃に、ケトルが湯気をあげ終わる。
マグカップに入れたインスタントコーヒーにお湯を注ぐと何とも言えない香りがした。
おかしい。賞味期限は切れていないはずだ。
いつも起きるベット。人肌ほどのぬるいお湯でシャワーを浴びる。熱い珈琲を一杯。
いつもと変わらない日常。コウドウ。
いつも起きるベット。冷水で顔を洗う。冷蔵庫の冷えた牛乳を一杯。
いつもと変わらないニチジョウ。行動。
何か引っかかる。同じはずなのに。
俺の涙なんてとっくに枯れたはずだ。
僕はあんな顔で笑わない。
朝食は珈琲だけ。
コーヒーなんて飲めない。
あれ?じゃあこの記憶は。
一体誰n______
「消えた記憶」 海崎 蓮 @Sea_kairen
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。「消えた記憶」の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます