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今更クラウド上に保存した原稿を削除しても無駄だというコトは分かっていた。消したところで誰かが保存してたらそれで終わりだ。仮に――アタシを知る人が「魔王」の正体だとしたら、なんだか悲しいな。でも、実際に事件が起こる前に書いていた祇園祭を題材にした小説は確かにSSDに保存していた。もちろん、クラウド上には保存してない。――祇園祭か。「魔王」は、このコトを知った上で事件を起こしているのか? だとすれば、「魔王」の正体は矢張り――アタシの友人なのだろうか。でも、アタシはそんなに友人がいない。絢奈ちゃんよりは友人がいると思ってるけど、それでも少ない。いたとしても――10人ぐらいかな。そんな事を思いながら、アタシは書きかけのままで止まっていた『祇園祭殺人事件』の原稿ファイルを開くことにした。ついでに――飯室刑事にも読んでもらうことにした。
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