届かない私のメッセージ

bbキャンセル君

第1話

校庭の木の下で、届かないあの子への手紙を書くのが日課。

根暗な私と違って明るくて光みたいな女の子。

一つ例えを出すなら

ペンを走らせる

私は闇貴方は光、光は影を生めば生きる意味も生まれた。

関わる事もない今だけど、もし交われるなら

学校の話とかもしたいな・・・・・。

コロコロ・・・・

「すいませーん!そこのボール取ってくれませんか?」

「わ・・・・わわ分かりました!」

ボールを手に取り、思いっきり投げた。

「ありがとうございます!」


走って行く男子生徒達


私もあの子の様に元気な性格だったら、一緒にあの人と同じ世界に立てたのかなぁ?

再びペンを走らせる。

暑い夏は影が好き、あの子はどうなんだろう?

人に交じれない私は闇の闇。


「何書いてるの?」

「ひゃあ!」

後ろから声をかけられ、情けない声が出る。

うぅー、恥ずかしすぎる。

「驚きすぎだよ」


「だだだだだって!貴方は私の憧れの人で・・・・」


「へぇーそうなんだ」

彼女は私の隣にさりげなく座る



「見過ぎ、そんなに好きなの?私のこと」

「ご・・・ごめんなさい。はい・・好きです」

「そう、ありがとう」


心地よい風が私達の汗を拭ってくれる。



何か話さないと、帰ってしまうかもしれない。

それは嫌だ、せっかくの機会なのに・・・。

慣れてないことにおどおどしていると

彼女は微笑んで先に口を開いた。


「明日、引っ越すんだ、遠い街に」

え・・・・・

思わず目を伏せ、そうなんですか

と重く小さく呟いた。


「だから、私の事をいつも見ていた君に別れの挨拶をしにきた」

「・・・・・知ってたんですね」

笑いながら、勿論!

そんなにハッキリ言われると逆に恥ずかしいです。

「じゃあこれ」

可愛い絵柄の紙を私の手の中に入れて

「別れは永遠じゃないさ」

明るい笑顔で、そう言った。

貴方のその笑顔が羨ましかったし、好きだった。


「あの・・・・また会えますか?」

「ふふっ・・・・・。またね」

手をふって

私から遠ざかっていく

距離が離れる度に涙ぐむ。


貰った紙を開けてみると


ああ、そういうことだったんだ。

またね。別れは永遠じゃない。この言葉の意味が全て、分かった。


今まで届かなかったあの子へのメッセージは、今この時をもって届くようになりました。







[意味]

私の手には、彼女の、メールアドレスが握られていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

届かない私のメッセージ bbキャンセル君 @aiumi

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ