第43話 7年1月
よく考えると、七年目に突入していた、地下10階にベースを移したり、一月に一回しか地上に帰らなくなって来たので日にちの感覚が大雑把に成っていた。
もうすぐで17歳になる、早いと結婚する年齢だ・・・、ここには若いSランクの女の子は居ない、あれからサンドラとは何も無い・・・、本当に何も無い。
バースが「女の子が居ないこんなところは嫌だ」、「地下七階に置いて来てやる」と俺達が言うと静かになるのがいつもの会話で俺とサンドラの事は会話には出て来ない。
剣の試練はアニスさんと一緒に行く、隠密スキルで隠れて対象の魔物に近づき、三回試して帰って来る、ハズレの場合はダメージも無いので魔物も攻撃された事にも気が付かないので攻撃もされない、アニスさんとのこの組み合わせ最強のお試しだった。
最初はドキドキでゴンちゃんに逃げる中間の位置に盾を持って居て貰ったりしたが必要無かった、逆にゴンちゃんが居ると魔物が襲ってくるので逃げるのが大変だったが二人で行くと、行って試して帰って来るで魔物は襲ってこない。今の所隠密スキルで隠れられるのは本人ともう一人でスキルレベルが上がると多くなるらしい。
地下十一階の入口から帰還石で地下十階のどこに帰ってくるか確認した、入口から少し離れた所にある洞窟の中でカウは入って来れない、ここの階に居る魔物でここに入れるのはキラービーン位だと思う。
ここに人は来る事は無さそうな場所だった。
ここの階より上で活動している人達は自分勝手というか他人に余り関心の無い人が多い、ダンジョン踏破のため最前線で戦いレベル上げをしている人とダンジョンを出るためにレベル上げをしている人、カウの肉のためにこの階に居る人、他人に興味のある人は商人など商売でこの階に居る人とここの管理を任されている年寄り達が多い。
私達がこの階へ来たことも知らない人達が大半で私達に関心が有るのはここまでの階で一緒に生活した人達だ、それも年が若いので気にかけてくれている程度だと思う、私達が毎日剣を試しているのも多くの人には知られていない。
朝はここの人達が下を目指すのに俺たちは最初に上のオーガキングの所に行く、その次はカウを討伐してレベル上げをして肉がドロップしても売りに出さないのでそのまま宿舎のアパートに帰ってくる。
カウを狩るのにゴンの盾役よりレイの躱す方が有効だった、集団から外れたカウを見つけて狩りを行う。
最初にレイが剣でカウを刺すとそのまま少し逃げる、カウが追いかけて来てそこを躱して刺す。
「みんな準備して」とレイから声が掛かる。
カウは<突進>のスキルを使って力を貯めてから突撃してくるのでスタートしたら躱すとそのまま走って行く。
「アニス・ゴン、攻撃だ」俺たちは剣で通り過ぎる時に一撃入れて離れる。
カウが振り返ったらレイに向かって突進してくる、魔法攻撃抜きに戦うとそれを20回は繰り返さないと倒せない。
バース達魔法攻撃組も攻撃すると初めは悲惨だった、最初の突進の後に全員で攻撃したら、バースの所へ突進して来た。
一回目はギリギリで避けたが、二回目は避け切れない、ゴンが盾て防いだか鋼鉄製の盾が少し曲がった。
その後攻撃しても今度はゴンからヘイトが離れない。
一頭倒すのに盾は損傷するで元は取れない、肉がドロップしても大幅な赤字だ。
途中にバースとサンドラの魔法を挟むのではなく、魔法で止めを刺す戦法に変えたら戦闘が安定して、損傷が少なくなった。
「今日は中々連携が良かったですね、魔法攻撃で終わるように成りました」
「バースの魔法威力が上がっている?」
「レベルが上がると少し魔法の威力が上がる様ですからそのためだと右目が言っている」
「その右目どうにかならないの」とアニスがすかさず突っ込む。
「私のアイデンティティーだから変えられないと右目が言っている」
「だから、右目のせいにしないで普通に話せないの」
「無理だと右目が言ってる」
「もう・・・、イライラする」
今日は何かアニスの調子がおかしい・・・、何時もの事ではあるがいつもより激しい。
必要物資も少し少なくなって来たので一カ月振りに地上へ明日から向かう事をドレークさんに話した、帰ってくるのは地上に二泊してから帰って来る。
「ちょっとこちへ来い」とドレークさんに呼ばれた。
「明日から帰るのならば、一緒に行きたい奴らが居る」と言われて一緒地上へ帰る事になった・・・本当は帰還石がぱっぱと帰る予定が・・・。
地下九階のオーガキングの試練を終わってから一緒に再度オーガーキングの居るボス部屋に入る事になった。
「最初にオーガキングの所に行ってきますので帰る人はここで待っていてください」
知っている人は何も言わないが知らない人達は何をするんだという感じで俺たちを見ていた。
いつもの様にアニスと手を繋いで一緒にボス部屋のオーガキングの所に来ていつもの作業の剣を出して攻撃する、一撃・ハズレ・二撃・ハズレ・三撃 あれ、手ごたえあり、オーガキングが消えた、こんな時に当たった。
オーガキングの剣を引き当てたのでオーガメイジ・オーガアーチャー・オーガ戦士を倒してボス部屋の中を綺麗にした。
「ふー、 終わった・終わった」と声に出てしまった。
「えーと何ですかね」と地下10階に戻ってから聞いた。
「少し時間が掛かっていたので助けに行くべきだという話がサンドラから出ていた所です」とレイに言われた。
「そうか・・一度戻るべきだった、反省しています、オーガキングの剣を見つけたので他の雑魚を処理して来た」
「オーガキングの剣を見つけたのか・・、探し始めて三か月か、平均だな」
「これで地上に行ったら焼肉です」
「見つからなくても地上に帰ったら焼肉食べに行ってるよ」
「それはそうですが、お祝いは別です」
「あのー、もう出発して貰って良いか、今日中には地下七階に着きたい」
「最初の話ではオーガキングの討伐をお願いしていましたが必要無くなりました」
「とういう事だ」とオーガキング担当部隊が聞いて来た。
「行ってみればわかります」 見ればオーガキング居ないから判るよね。
地下十階の最大の関門オーガキングが居ないのが。
「それでは私が先頭で進みます、後ろに出る魔物はうちのバースの指示で倒してください」
「地下九階も早足で、魔物を警戒しないで進む、初めての人はドキドキしているが何回も俺達と一緒に行動した事の有る人達は雑談している」
おれが倒して、レイが魔石とドロップ品を拾う、横から来そうな魔物はバースが指示するか自分で魔法を撃っている。
オークの砦も過ぎて七階の安全地帯に昼頃に到着した、お昼をここで食べて午後から地上に向かう、知っている人は知っていたが初めての人は知らなかった。
ここで残るのか聞いたら一緒に行くと言うので、そのまま全員地上に午後から向かう事になったが、七階から帰る人が追加で増えた。
「人が多くなったのでバースが指示しますので横から来る魔物は自分たちで処理してください」同じ説明を再度した。
地下六階の沼地は俺が先行して魔物を間引いて行く、後から来るバース達は戦わなくても通過出来た、もっと魔物が来ると思ったがいつもと変わらなかった。
五階の洞窟の枝道から出て来るコブリン上位種が少し大変なだけだが、それも来るのが判って居ての戦闘なので問題なかった。
後は四階以下の魔物は俺で無くても地下十階で活動している人達は魔法使いでも杖で一撃だった、杖で殴るもありか、今度殴れる杖をサンドラとバースに買ってやろうと思った。
久しぶりの地上は変わらない・・・。明日は必要物資の補給だがレイに任せている。俺たちは一緒に行っても役立たずなので俺とサンドラは資料館でバースとアニスはお休み・・アニスはサンドラに付いて来るだろう。
残りはバースとゴンだがゴンはレイと一緒だと思うから・・・バースを一人にすると趣味の世界に行くから誰も止める者は居ない、でも自分の取り分を使うだけなので良いかとみんな諦めている。
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