第38話 六年 六か月
もう、オーガの剣を探し始めて一年経とうとしている。
他の剣が見つかっているから良いが、今日もダメかと始めから思っていたら当たった。
「バシュー」て消えた、「ヤッター!!!!!!」と叫んでしまった。三本目で当たりました、長かった・・・。
これで地下九階へ行ける・・・、トレントの剣はパスする事にした。地下九階へは壁際を右回りで進めば地下九階への階段が有る。
地下九階の平地のはるか先に山がありオーガ砦はその頂上にある、そこにはオーガ戦士とオーガメイジそしてボスのオーガキングが居る。砦の最奥のキングの間に地下10階への階段が有る。
地下10階へ行くには、①単純に砦を落として進む、これは最前線攻略部隊と同等の戦力が必要、② 隠れて進む 一部の隠蔽系スキル持ちしか出来ないが戦闘は無しでひたすら隠れて進む、③ 物量で押してスキを見て階段に向かう、オーガキングは倒さない。
現在行われている戦法は③の変形型で両面作戦・・地下10階の居る人に助けてもらいながら戦う、日時を決めて砦で戦闘をしてキングの間に到着したら、後ろから攻撃してもらい混乱しているスキに地下十階へ行く。
うまくするとキングの間での戦闘はほぼ無しで行ける、毎回同じ事をしても魔物は最初の獲物にロックオンして後ろには注意を払わない。
年に何回か攻略最前線のパーティ通る時にオーガキングを倒すが、いつもは戦っても倒さないで地下十階へ向かう。
俺たちは砦の外でオーガを倒して、オーガ戦士又はオーガメイジ・オーガアーチャの剣を探す。
ここの階は砦だけでも厄介なので探査されたのは数十年前で山以外で昔確認された砦がまだ有るのかは最近確認されてない。
一日目はオーク討伐・二日目は階段の砦から壁から少し離れて森に入らない最短コースの左周りで地下九階を目指す、地下九階でオーガ戦士又はオーガメイジ・オーガアーチャの剣を試してから地下七階へ帰る、帰りは来た壁側を出口まで行く、出口まで行く間に時間調整してキャンプ地へ着くのは夕方になる。次の日は地下八階でトレントの剣を探してから地上に帰る。
これが今の所ベストだが二泊三日の限界が来ている。九階で剣を試す日が一日しか取れない。
「剣を探す日が少ないですよね」
「そうなんだが、これからどうするかだよな」
「どうするかって何だ」
「宿泊日数を伸ばすしか、剣の試練回数を伸ばす事は出来ない」
「地下九階の方が同じオーガでも一撃で倒せるし経験値も多い」
「地下九階に安全地帯は無いのですか」
「地下七階みたいな完全な安全地帯では無く、簡易避難所的な安全地帯は地下九階に入った階段とその付近らしい、俺たちが先行しない時はそこで休んでから地下九階を突破していたと聞いた」
「あんな所で一晩泊ったのですか」
「そう見たいですよ」
そう思うよな、階段の近くでは有るが何も無い所で休んでも気が休まらない、休むとしたら階段だよな。
「忘れていたが、雑貨屋のおやじが階段で寝るマットがあるって言ってたな」
「階段で寝るって、一段づつ段々に寝るのですか、でも通る人には邪魔ですよね」
「多くの探索者は夜活動していないが、サリバンさんみたいに夜活動する探索者も居るから横には寝れないよ、縦になって寝ると下まで落ちそう」
道具屋に階段で寝るマットを見に来た、これですかキャンプ用のベッドの足が二本長さを変えられる様になっている、あれ、俺たちのベッドも足の長さが変えられる仕様だった。
最初から両側の足の長さが変えられた・・・、階段三段で一人寝れますね、女性陣は誰が来るかわからない階段で寝るのには反対された、それなら六泊七日のテント生活の方が良いと言われた。
地下九階への行き方を色々試してみた、一日目の急いで行くと地下八階の入りまで四時間で行ける様になっていた、そこから右回りで魔物が出て来たら倒して進むと昼過ぎには地下九階に到達できる事が判った、地下九階で剣を試して地下七階に帰ると暗くなる前にキャンプ地に着く。
地下九階で剣を試す相手が中々出て来ない時は諦めて、地下七階に戻る事にしている、一度だけ時間配分を誤り、階段で寝たが男は順番に警戒に当たった。
「どうしてこうなったのですかね」とアニスに聞かれた。
「来る時にキャリーしていたスピードが遅かったのと地下九階の剣を試すオーガに出会うまでに時間が掛かって、階段の所で安全にオークの階を通過出来るか微妙だった」
「無理して行って何か有るよりは良いんじゃありませんか」とサンドラか援軍を出してくれた。
「サンドラはこいつらに甘いよ」
一度は経験しても良いかなと思っていた事は、口が裂けても言えない。
次の日はそのまま地下九階に戻り剣を試してからオーガを倒してレベル上げして地下七階のキャンプ地に帰って来た。
「大丈夫だったのか、みんな心配していたぞ」
帰ってくるときも声を掛けて貰ったがキャンプ地のみんなは帰って来ないので多くの人が心配していた。
「私は生きているのは判りましたよ」と何処から現れたのかわかないゴリアティさんが言って、バースにウインクした。
「バース、大丈夫か、気をしっかり持て」とふらっいたバースに声を掛けが聞こえてるのか?下を向いたままだった。
「《大爆炎》《大爆炎》《大爆炎》・・・死ね〇▲▲・・・」
次の日の朝の砦の討伐でバースが壊れた、久々に壊れて三連発を撃ち込んだらオークキングが死んで消えた。何か叫んで居ましたが大丈夫なのか、病気が再発したのか。
地下九階の剣の試練が終わって帰って来た、少し遅くなったが暗くなる前に川を渡れる時間だ、その時戦闘音が聞こえて来た、川上で数人戦っているが危なさそうだ。
バースが急に《爆炎》をオークの後ろから打ち込んだ、それでオークが消えた。
男一人、女二人のパーテイで女の子が一人こちらに向かって来た。
「ありがとうございました」と言った瞬間にバースのぽっぺにチュウをして帰って行った。
あー、又無断でチュウされた・・・・と思っていたらバースが、「柔らかい唇だった」と言ってボーとしている。
川を渡りキャンプ地に行ってもボーとしている・・・、大丈夫かこいつ。
次の日、サンドラ達が昨日のパーテイの事を聞いて来た、西の棟に居るD級の人達でここを出る前に記念にここまで連れて来てもらったらしい。
連れて来た人達はオーク討伐に出かけた、川側危険が少ないと聞いていたし、自分達もレベルは有るので大丈夫と思ってオークと戦いに臨んだ。
火力不足で決定打が無く、女子に迫って来たオークにバースが《爆炎》を撃ち込んだという事だった。
勝手に獲物を取ってこちらが謝る所を、バースの八つ当たりとも知らずにカッコ良く助けた事になっていたが彼女達は帰るために出発したらしい。
「また会えますかね」とバースが聞て来たが、ここをもうすぐ出て行くD 級は住んでいる所も違うからまず会う事は無い。
「運があれば会えると思うぞ」と今の気持ちを維持させるためにバースには答えた。
「運が有ればですか、会ったのは運命だったので運は有るはずです」
なんにしても少しバースが持ち直したのは良い事だ。
地下九階に入ってから四か月目にオーガ戦士の剣を見つけた。
オーガの剣を見つける期間が少し長い、四か月で300本は試していないのでまあまあか。
前年の二か月に一本が異常なだけで、平均はこの位で当たりが出るのが普通だよな。
オーガの階も後三本、戦士の剣の近くに今までだとメイジもアーチャーも有るはずなのでまた二か月以内に見つけられるかも知れない。
オーガとオーガ戦士の剣を見つけたので少し山側を探索している、やはりオークでもあったが自分の砦の近くには三匹一チームで巡回している。
砦の反対側に谷があり入口付近にもチームで活動しているオーガが居る、少し遠くから観察してるとその谷に出入りしている。
宝箱が有るのではと思っているがメイジかアーチャーの剣を見つけてから行く事にした、宝箱あるかな。
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