第30話
また、毎日同じ日々が繰り返される、二泊三日のローティションが固まって来た。
階段のオーク集落へ行く意味が無くなってきた、俺たちはオークメイジと戦いたいだけで階段のオーク集落へは行かなくても他のオーク集落へ行けば肉もドロップするので効率も良い事がわかった。
一度、俺達と一緒にオーク集落の戦闘を経験すると下へ行くのが楽なので居ない時が大変だと思う様になり、オーク集落の当番シフトが変わったり、俺達と同じ様に二泊三日サイクルにする人達が出始めた。
変わった事と言えば、ゴブリンキングが二個目の王冠をドロップした。
結構な数を倒しているが全然ドロップしなかったがドロップした、オーク肉のドロップは人の行かない所のドロップ率が高い事がわかったが一番奥の洞窟へは一度しか行けてない。
崖の洞窟までのオークを討伐し続けて洞窟に昼過ぎに着いて、洞窟に入らないで帰って来たのに夕方になった、オークメイジがぽつぽつ出て来るので戦いに時間が掛かる、帰りはバースの魔力も段々減って心配になった。
「洞窟には誰も行かないのですか」
「昔はレベル上げに行っていたが遠くて行き帰りが面倒で、今は地下八階がレベル上げのメインになっているから行く奴は居ないな」
ガストさんに会ったので話を聞いた。
「それよりも、死体の残るオークに出会ったって聞いたぞそれも、300kオーバーらしいな、食べた奴から聞いたぞ」
「そうなんですね、はっはっはー」
「それで相談だが、その分は上から荷物を持ってこれるよな」
「ガストさん何を言っているのですか」
「お前たちの荷物も有るから300kくらいは運べるのだろう」
「道具屋のおやじに話は通してある、次くる時は荷物を持って来てくれ」
「もう決定されているのですか」
「そうだ、決定だ」
「まえに一度お断りしていますが」
「それは入らなかったからだろう、今は入るよな」
「そうですが」
「そういう事だ、よろしくな」
早くもこんな注文が来たよ・・・、隙を見せたら即突っ込んで来た。
「レイのアイテムボックスって何キロ入っているのか解るのか」
「よく解らないが、意識すれば入れた重さは判るよ」
「アイテムボックスを区切る事は出来るの」
「個人の物は名前で意識して入れると同じ物でも取り出す時は別々に取り出せるよ」
「300kを超えた時には入れた物を再度出して貰って良いかな、何か制限を付けないと店まるごと運ぶ事になりそうだからね」
道具屋に来て、買い物してから地下七階へ持って行く荷物を受け取った、今日の残りは250k位になっていたので300kを超えた時に最後に入れた荷物を出した。
「これは入らない見たいです、魔石を入れる分やドロップ品を入れる分も必要なのでこれで終わりです」
「この魔石を入れるポーチ型のカバンをやるからもう少し入れてくれ」
「みんなの分、貰えるのですか」
「わかった、みんなの分をやる」
「運搬の手数料の支払いはサリバンさんの所で良いんだよな」
「それでお願いします」
何故か俺以外の皆におそろいのカバンを貰っている、俺の分は・・・・。
俺は魔物を倒すのが仕事なので魔石入れは必要ないだろうと言われた、みんなの分貰えるって俺を除くみんなの分だったのですね。
かばんは名目は魔石入れのカバンだが日帰り用のカバンでポーション入れとか小物を入れる所もついていており、中々優れものだった。
俺だけポーション入れのみのベルトに付けている、戦闘するからポーチは不要だよ。
戦闘するゴンもレイもアニスも問題なくポーチを使っているのを見て少しほしくなった、良く考えればアイテムボックスのあるレイこそポーチ不要だよな。
荷物が入れられない事になっているから絶対に必要か、これを持っていればもう入らないて言ってる状態と気が付いてくれるかな。
キャリーに荷物運びと段々お仕事が増えてる、荷物運びは断ったのにオークが肉体を残すから運べる事がバレてしまった。
探索者の皆さんからは「早く地下十階に来てほしい」と言われてしまいましたが俺たちの目標も大事なのでじっくり進みたいと思っている。
丸一日使える日にもう一度壁の洞窟に行く事にした、階段の集落に入らないで行きたいと言ったが完全に俺たちがローテーションに組み込まれていてオーク戦士を倒したら引いても良い事になった、その後は下の階へ行くみんなでメイジとキングを倒す事みたいです。
俺たちがAとSのパーティで一番若いパーティになっているので何でも頼まれる。
地下十階に到達したら地下7階の雑用から離れられる、俺たちはキャリーと物資の運搬で貢献しているので雑用は少ない方らしい。
俺達よりもBで若いパーティは有るがその人達は地下7階と地下八階までで地下十階まではレベル上げに行かない、Bのパーティの人達は独特のルールで動いているのと地下九階のオーガ集落を突破するのが危険だからだ。
地下九階のオーガ集落は難敵で地下十階以降で戦っている人達も数パーティで組んで突破する、地下九階を突破したら一カ月とか二か月とか居るのは短い方で年単位で住んでいる人もいる、短い期間で行き来する人達が必要な物資の運搬もしている。
俺たちは洞窟の入口まで来た、今日はここに入るぞ・・・。
「何でここに来たのですか」とアニスに質問された。
「ここの方が肉のドロップ率が良いから」
「肉はまだたくさん在庫があると思いますがどうしてですか」
「ここには何かがあると俺の勘が叫んでいる」とバースが言った。
「行った事の無い所や穴には入ってみたいと思いませんか」とレイはアニスに質問した。
「思いません、穴には大抵魔物が居ますし危険で逃げられませんよ」とサンドラが答えた。
「オークとオーク戦士は大丈夫なので後はそんなに多くは居ないと思いますよ」
「オークメイジのドロップ肉を食べて見たくありませんか?肉体を残したオークのヒレ肉よりうまいそうです」
「いままで結構オーク戦士を倒して来ましたが二回目はまだドロップしていません、オークメイジはその1/100も倒してないので無理ですよね」
「それは戦って見ないと解らない事です」
「確率的には解っている事ですよ」
「このオークの階も大分慣れたし、みんなも戦えるのですか洞窟探査に行きますよ」
今日の分の剣はもう試し終えている、毎日同じ事を繰り返しているのでたまに気分転換に遠い所へやって来ただというのが本音です。
洞窟に入ると分かれ道があり、印をつけて進んだ、道をよく見て進まないと帰る時に帰れなくなる、分かりづらい枝道から太い道に出る所や岩陰から出る道などがありその都度止まって確認した。
枝道の近くにはオークが居て戦っている間に方向が解らなくなるのかも知れない。
俺たちは戦うのは俺で、道を覚えるのはレイなので何も問題が無い、どんどん進んで行った、三時間ほど探索したがボスのオークキングには出会っていない。
「今日はここまでにして戻るか」
「そうですね、枝道は大分潰しましたので次回はここまで来るのは早く来れますから無理はしないで帰りますか」
帰る枝道に入る所の岩陰からオークメイジが出て来た。
「バース、警戒はしていたのか」
「今までそこにオークは居なかった」
又何か解らない事を言ってる、この洞窟に入ってから何回かこんな事が起きた、突然オークが出て来て襲ってくる。
ダンジョンなので魔物は復活するが、こんなに都合の良い場所に復活するのか、俺達で無い他のパーティならば警戒していてもこの接近は被害が出るぞ。
無事、洞窟から出られた、レイの記憶は完璧で道を一度も間違える事は無かった。
洞窟から出て又オークを倒しながら戻っていると戦闘している人達がいるのをバースが見つけた。
この辺まで他のパーティが来ているのは珍しい、Bのパーテイだとは思うが戦闘中では避けて通るしかない。
「ちよっと不味いと右目が言っている」
「どういう事」
「戦闘中のパーテイの所に他からオークが集まってきていると右目が言っている」
「そうなのかどうするかな、戦闘している所へ向かって危なさそうなら助ける、大丈夫なら帰るで良いか」
「助けても、レベル上げの邪魔をしたとか後から色々言われましたからね」
今までも危ないと思って助けたが文句を言われた事がある、レベル上げの邪魔をするなと言われた。
その時は助けなければ危なかったと思ったが何かその状態から逆転するスキルとかを持っていたのかも知れません、今回はどうですか。
女性一人に男五人のパーティだった、真ん中の女性を男五人が守って戦っている、オーク達は皆、あそこが一級品になっているのはなぜだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます