第28話

 目的は終わったが最後のオークキング戦が残っている。


 建物からオークキングが出て来た、横にオークを抱きかかえて、前の方をお起てて出て来た。


 一瞬、女性はみんな下を向いていた。


《大爆炎》《大爆炎》とバースがオークキングと横のオークに攻撃した。


 オークキングは半分死んでいる、隣に居たオークは消し炭になった。


《ウインドカッター》・《ファイアーランス》・《ホーリランス》が女性陣から魔法がオークキングに飛んで行き、オークキングが消えて魔石が落ちた。


「どうなったのですか」


「オークキングの姿を見て女性陣がぶち切れた」


「最初に切れたのはバースだと思います、すみませんでした」


「倒せたから良いですよ、それにしてもメガフレアを二発連発ですか」


「私も《大爆炎》の連発は初めて見ました」


 目的を達した俺達は帰る、一緒に来た、今日の集落討伐パーティはほぼ何もしていないのでこのまま地下八階へ行くと言っていた。


「集落討伐パーティは地下八階へ行かないって聞いてましたが違うのですか」


「地下八階へは行かないのではなく、ここで戦った後は魔力も少ない、体力は消耗するので行けなかったんだ、普通にここを通って行く時にもオークとの闘いはあるから、いつもの地下八階へ行く時より、戦いは少ない位だこれくらいなら何も問題ない」


「これだけ戦えるのであればお前達も地下八階でも通用するぞ」


「俺たちは俺の剣を見つけてから下へは行きます」


「そうか、まあ頑張れよ」


「ありがとうございます」



「バースなぜ最初に攻撃した」


「オークキングの横に居たのはメスのオークで性転換したんですよね、筋肉もりもりが女になったんだ!!」


「初めて見ましたがサンドラさんも《ホーリランス》で攻撃してませんでしたか」


「オークキングのあれはすぐ消去すべきものです」


「えーとあれを見たのですね」


「見てませんよ、お姉さま方がキャーと言って魔法を放ったのでついつい攻撃してしまいました」


「はーーー、そうなんですね」


「これからもオークキングはでっかいキノコを付けて、出て来るので無暗に攻撃しないでください」


「お姉さま方も大きくなっているキノコを付けては、今まで出て来なかったと言ってましたよ」


「そうなんですか、初めてなのでいつもの事かと思いました」


「ゴッホン、そういう事なので気をしっかり持って、お腹に生えているキノコと思って対応してください」


「しっかり見て対応するのは無理だと思います」と恥ずかしそうに小声でサンドラが答えた。


「攻撃出来なくても、自分の身は守ってください、オークは女性に向かってきますから」


「あんなのが向かってくるのですか、私は攻撃を抑えられないかもしれません」


「その時はその時で考えましょう」


 完全に女性陣はアウトかもしれない、俺が剣を試す時は女性陣の理性が無くなる前に決着を付けるしかない。

 

 まだ時間があるので集落の中と外でオークを討伐して経験値を稼いだ、ここでもオーク肉を一個ドロップした、今は20頭に一回くらいの割合だよな。


 滝の下流の誰もあまり行かない所にもオークの集落はある。


 ここ集落は余り人が来ない、少し遠いので戦うと帰りの体力が持たなくなるから、あまり来ないらしい。


 オーク集落は一つと思っていたが良く聞くと階層には4か所集落があり、下への階段のある集落、滝の側の集落、川の下流の集落、もう一つは絶壁の集落と言われていた。


 絶壁の集落は草原の一番奥の壁が絶壁になる所のにある洞窟に住んでいるオーク達だ。


 一番近いのは階段の集落で一番遠いのは絶壁の集落で川の側の集落はどちらも同じくらいの距離にある。


 滝の下流の集落の周りにはオークとオーク戦士・オークメイジが居た、ここのオークはオーク三頭にオーク戦士かオークメイジで、四頭で一グループで動いている。


 川の上流の集落も階段の集落もたまに手段が有る位でほぼ一頭づつ行動していた。


「四頭なのでオーク三頭を倒している間、オーク戦士の相手をするのが良いか、オーク二頭の相手をするのが良いのかどちらが良い」


「やってみないと解りませんがオーク二頭で行きます」


 先頭のオークを倒してが俺はそのままオーク戦士に向かった、オーク戦士も向かって来たが攻撃を躱しいつもの様に一撃で決める。

 

 振り返るとオークの体当たりをゴンが盾で防いでいる、もう一頭はバースが《爆炎》を撃ち込んだので突進の勢いが死んだ、そこへアニスの攻撃が入った、アニスへ向きを変えたオークは涎を垂らしながら迫っている、これは攻撃なのか。


 ゴンのほうはレイがチクチク剣で刺していて、ヘイトはレイに移った、レイに完全に意識が向いた処へ、横からゴンの剣で頭を割られてお終いだ。


 アニスに向かったオークは何やら怪しい下半身をしている、《ホーリーランス》が突き刺さった。


 これでオークも処理された。


 オークの死体が残った、肉がドロップしたのではなく死体全体が残った、肉は大体10kg位ドロップするが死体が残ると300Kgは超える。


「このオーク持って帰るのですか」


「肉、300kは有るぞ、いつもの30倍だ、持って帰る」


「でも変なキノコもついて居ますよ」


「こいつ、死んでもそのままなんだな」


「気持ち悪いので置いて帰りましょう」


「それは駄目だ、これは肉になるからな」


「私は食べたくありません」


「・・・・・・」


「オークって誰が解体出来るのですかね」


「そうだよな、解体の話はあまり聞いたことが無いよな」


「誰に相談する」


「やはり、焼肉屋のおやじだよな」


「レイのアイテムボックスへ入れて置いてくれ」 


 キャンプで誰かに聞いても良い、解らなかったら帰ってから焼肉屋のおやじやサリバンさんに聞いても良い。


 お腹に穴の開いて血が出てる、そのままアイテムボックスへ入れた、アニス達は食べないと言っているが解体されて肉になったら食べるよな、どのオークか肉になったか解らないよ。


 次の日も階段のオーク集落へ向かった、今日は当番パーティに他のパーティも付いて来た。


 昨日の当番のパーティが早々と地下八階に入り簡単に倒せるトレントを倒してしまったかららしい、今日は集団で付いて来ている。


 これって、経験値はどういう配分になるんですかね、俺が倒す、他は見ている、俺が倒す、他は見ている・・・・・。


 最後のオークメイジで剣を試してお終いと・・・・、皆さんは何を期待している、オークキングも倒して良いってそれは皆さんのお仕事ですよ。


 うちの女性陣とバースはやる気満々ですね、オークキングが家から出て来ました、  今日もバースの《大爆炎》《大爆炎》が二発でほとんど死んでいる所に《ホーリーランス》が一発とアニスの斬撃が二発入った・・・


「本当に何もしないで終わった・・・」と周りのパーティが呆れてた。


「俺達、昼で帰ります」


「そうなのか、次は明日来るのか」


「はい、その予定です」


「俺たちは下へ行くから注意して帰れよ」


「わかりました、皆さんも気を付けてください」


 俺たちはそのまま滝の上流の集落へ向かった、滝の上流の集落はオーク一頭でバラバラに行動しているので一頭づつ戦っているが俺は戦わないで皆の戦闘技術上げをしている。


「スピートはウルフの方が早いですね」


「攻撃の重さはオークの方が何倍も重いです」


「攻撃が当たらなければ攻撃は直線的で避けるのも簡単です」


「オークだと《爆炎》が二発で瀕死ですね、キングは《大爆炎》二発と《爆炎》で瀕死だと右目が言ってる」


「剣で刺しても中々死なないですね、いつもの様に攻撃力の無さを感じます」とレイが困ったよに言ったが攻撃を貯めている時間は仕方ないよ。


「レイ、ヘイトは稼げるんだよな」


「こちらに向かってきますからヘイトは稼げていると思います」


「オークの肉は情報通り、いつもの階段のある集落へ向かう方向のオークのドロップ率は悪いそうです、洞窟が一番で次は下流の集落らしいです」


「オークの死体が残る事は珍しい事で一年に数度あるかないかという事らしいですよ」


「死体の話をしたの」


「女性の先輩達に聞いた所そういう話をしていました、男どもはあんな死体を大事にしていたって」


「何か有るんですかね」


「子作りの関係らしいですよ」と不用意にアニスが答えた。


「えーとそういう事ですか」


「あーーーー、・・・・・」


 女性たちは何か女性用テントで聞いたみたいですがサンドラは真っ赤になっていたがアニスは知らん顔していた。


 順調にオークを倒して昼になりそうなので川を渡って服を乾かす間に昼食にした。


 当然の様にオーク肉のステーキだ。でも、オーク丼のたれが恋しい、あれをステーキに掛けて食べたい。


「午後は早めに帰って良いか」


「何かあるのですか」


「オークの死体を焼肉屋の持って行く」


「あんなもの持って行くのですか」


「重量もあるので良い値段になると思うぞ」


「そうですね、サッサと始末した方が良いですね」とアニスは汚い物で処分するような感じて言われたが、解体したら食べるんですよね。


 なんかここに来てから女性陣の視線が冷たい様に感じる、バースの事件からだよな色々な事が有ったのはこれも運が関係しているのか、泥沼にはまりそうなので考えない様にしよう。


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