第27話

 遠くから見ていたがバースが境界を越えたら、男が現れた、まるで瞬間移動のようにバースの後ろに居た。


 後ろから捕まってそのまま押し倒された様だ、二人とも中々起き上がって来なかったが起き上がって来たら正面を向いてがっちりのホールドされている。


 そのまま釈放されたがバースが走って泣きながら戻って来た、何もお仕置きされていないと思うがなぜだ。


「バースどおした」


「ぼくの初めてが・・・・」


「バース何が有った」


「うえーーーん」


「泣いていては解らないぞ」


「うぇーーーーん」


 捕まって、あの短い間にお仕置きされて戻って来たが精神攻撃系のお仕置きか??、これは応えるよな、ちょっとそっとしておくか。


「バース、どおしたの」


 アニスとサンドラに先程の事を説明した。


「今日はゴリアティさんでしたよね」


「初めてだからアレですね」


「一緒にテントまで行ってないので精神崩壊はしていない様ですね」


「赤いテントの住人はマッチョなお姉さまで初回のお仕置きはキスですね、その先を承諾したらテントへ連れて行かれるという話です」


「マッチョなお姉さまってジェンダーレスですか」


「そうなりますね、女性と男性の間に住んでいる女性です」


「日によってはマッチョな女性も居ますよ」


「女性なんですよね、女の人が危ないのでは」


「それは無いみたいですよ、お仕置きは男のみで女性を守る騎士的な位置に居るみたいです」


「その人に当たるとむち打ちの刑になるみたいです」


「これから人の話を聞かないBの今年の新人が来るようになるので、楽しみにしているみたいです」


「バースは初めてのキスを奪われたという事ですか」


「そうだと思います」


「それにしても、見ていてもどうやってバースまで移動したのか解りませんでした」


「それは元々最前線に居て、Sなのにレベルが高いのと隠密スキルが使えるからです」


「最前線に居たのですか」


「いろいろ問題を起こして、ここの管理人をしているみたいです」


「でも、バースはこれから安全かもしれません」


「どおしてですか」


「ゴリアティさんにマーキングされましたから、対価は支払わなければなりませんが大きな声で助けを呼べば来てくれますよ」


「対価を支払うって・・・・、死んでも嫌なパータンですか」


「死よりはマシだと思います」


 女性の方が芯が強いのですか、男は死んでも嫌な事は有りますがいざその場面になると変わるかも知れません。


 お昼を食べている間もバースはぼーとしていた。


「午後から行けるかバース」


「いく」


 心なしかまだ元気は無い、川を泳いでいる時もぼーとして流されているのをゴンが助けていた。


「バースどっちが良い」


「右が良い」


 オークを見つけた、オークがこちらに突進して来た。


「オーク、死ね《爆炎》《爆炎》《爆炎》、筋肉ムキムキのオーク死にさらせ《爆炎》」


「バースさん、三発目で完全に死んで居ましたよ、四発目は要らなかったのでは」


「オーク、死ね《爆炎》《爆炎》《爆炎》、筋肉ムキムキのオーク死にさらせ《爆炎》」


「だからバースさん三発目で完全に死んで居ますって」


「オークってオスしか居ないんですか」


「メスは少ない様です、他の種族の女性との間に子供を作るそうです、他種族の女性が居ない場合、性転換して弱いオークが女性になるという話を聞きました」


「オークって筋肉ムキムキの男女になるのですか」


「そうみたいです」


「オーク、死ね《爆炎》《爆炎》《爆炎》、筋肉ムキムキの男女は絶滅しろ《爆炎》」


 バースの火に油を注いでしまったみたいですね、10頭程度倒せば魔力も減るので止めるだろう、黙って見守るしかない、派手に《爆炎》を使っているので周りからオークが集まってきているがバースの魔法は止まらない。


「今殺してやるからそこで待ってろ、《火の檻》」


 ファイアーウォールまで使ってオークを閉じ込めたが次は何するの。

「死にさらせ《大爆炎》」


 ファイアーウォールで囲った中ビックフレアを放り込みましたよ・・・、魔力大丈夫ですか。


「相当プッンしてます、右目が出て来ません」


「そうなんですか、初めて見ました」


「魔眼を真剣に使うと疲れるので普段は魔力のコントロールには使っていませんが今は魔眼も使って攻撃しているので、魔力消費量は抑えられていますが物凄く疲れるはずです」


 そう言っているとバタッとバースが倒れた、魔力切れですね。


「ゴンちゃん、バースを担いでもらっていいかな」


「・・・・」


「それではよろしくね」


「後は寄って来たオークを倒すだけなので俺が倒してくるからレイとアニスはここで皆を守ってね」


「留守番しています」


 後ろ側から来ているオークから先に倒す、この剣を使えば一撃なのでサクサクと倒していく、集まって来た残りは10頭ほどだったのですぐ終わったが一頭が肉をドロップした。


「肉をドロップしたぞ」


「こちらにも 肉が有りましたよ」


「真っ黒の消し炭の肉ですか」


「オークが消えてから出ますから、ドロップ品は燃えたりしませんよ」


「バースが過剰攻撃していたと思うが大丈夫だったんだ」


「バースが使い物にならないからキャンプ地へ帰るか」


「キャンプへ帰るの恐い、いやだ」とバースが目を覚ました。


「あなたが魔力切れのため帰るのですが」


「帰るの恐い・・・・」


「また、気絶しましたね、どうします」


「川まで行ってから考えますか、どちらにしても戻るしか選択肢はありませんから」


 再度テント村のガイスさんの所に来て居る。


「すみません、テントの位置を変えても良いですか」


「どうした」


「一人ラインを超えてしまって」


「はっはっは、超えたのかどうした」

.

「キスされましたみたいです」


「それだけか」


「自力で戻ってきましたが、あの場所は近くて怖いからいやだって言ってます」


「そうか、ここの前に張って良いぞ、ここは問題の有った場合の避難場所だからここの前では問題は起こさないから大丈夫だと言ってやれ」


「わかりまし、ご迷惑をお掛けします」


「明日の朝は大丈夫か」


「駄目だったら一人置いて行きます」


 朝は早い、地下八


「オークメイジ戦の時も頼むぞ」


「打ち合わせ通りやるから大丈夫」


 昨日よりは真面に話が出来るので連れて行っても良いだろう、他のパーティの迷惑になる様だと置いて行くしかないが本人は絶対一人には成りたくないと言っているので真剣に付いて来るだろう、暴走しなければ大丈夫。


 オーク集落は塀の周りにオークが居て俺達が近づくと入口の外に居たオークが集まって来て俺たちに襲って来る。


 オークの剣を持っている俺の敵では無い、十頭を超えて二十頭を超えてからは何頭だったのかは解らないが門にだどり着いた、門の中にもオークが居たがオーク戦士と目当てのオークメイジも居た。


 オークを倒しながらオーク戦士に近づいて、オーク戦士を倒して行く、その間皆はオークメイジと戦っているが一頭だけ残してもらっているのでバースが《火の檻》で隔離している。


 ファイアーウォールが消える前にオークメイジに近づいて剣を試す、ゴンと一緒にメイジの所へ行ってファイアーウォールが消えた時にゴンの盾でメイジを押し倒す。


 そこで剣を試してハズレならこちらに意識が向いた隙にゴンが剣で倒すという作戦になっている、基本ゴブリン戦と同じ戦い方だ。


「どうしてオークメイジはファイアーウォールの中から攻撃して来ないのですか」


「オークメイジは炎系の魔法使いで、ファイアーウォールは突き破れない、そのまま消えるのを待っているらしいぞ」


「土とか水系のメイジは居ないのですか」


「見た事ないって言ってた」


 

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