第25話 四年七か月
焼肉屋のおやじにオーク戦士の肉の事を聞いたら、オークの上位種はカウよりうまいらしい。
前日にレイが予約する時にオーク戦士の肉を渡して焼肉・ステーキとオーク丼を予約した。
初め予約を渋っていたがオーク戦士の肉が有ると聞いて態度が豹変し、支払いをオーク戦士の肉で支払う事になった。
オーク戦士、毎日討伐されているて聞いているがどうして肉は出回らないの?
オーク戦士の肉は少し硬いがうま味が多い肉で肉を食ったという感じがする肉だった。
ここのたれに付けて焼いたオーク肉丼も今日はオーク戦士肉丼でこちらも美味しい、焼肉やステーキを食べた後なのに美味しかった、肉丼最高、肉で支払えるだけおやじさんに肉丼をいっぱい作って貰ってレイのアイテムボックスへ入れた。
オークメイジの肉はもっと柔らかくてジュシーらしい、オークキングは食べると精力抜群だが若い者には必要ないと言われた、肉自体はオークメイジの肉がオークの中では一番美味いらしい。
地下七階のオークキングは滅多に肉をドロップしない、今は毎日討伐しているので肉は無いそうだ、地下10階以下の階にはオークキングが雑魚モンスターとして出て来る階があり、そこでは普通に肉もドロップすると焼肉屋のおやじが言っていた、何階なんだろう。
集落にいるオーク戦士もオークメイジも肉のドロップは難しい、集落の外に居るオーク戦士やオークメイジだと肉もドロップすることがある。
肉が目的で集落以外のオークを討伐するパーティは少ない、肉目的ならば地下十階の草原のカウを狩る方が良いがそこまで行けないレベルの低いパーティはオーク集落の外でオークを狩ってレベル上げをして肉がドロップすればラッキー程度に考えている。
昼間、サンドラといつもの資料室で話をした。
「OFFにする期間は今回初めて分かったのか」
「私のレベルが上がると溜る量も多く成り、あふれるまでの期間が短くなったみたいです」
「今回20日位なので次回からはもう少しOFFの期間を短くして使う方向で良いと思います」
「今回のは良い事と悪い事のどっちだと思う」
「良い事もあり、悪い事も有りました」
「オーク戦士は初めての魔物でオークより数段強かった、当たりの剣が引けなかったらケガ人が出ていた可能性が有る」
「大当たりと悪運は紙一重かもしれないがケガも無く、当たりの剣をそれも上位種を先に当てた、大当たりの大幸運だよな」
「悪運も考え方次第ですかね」
「そう考える事にすれば良いんじゃないかな」
サンドラは自分の意図したタイミングで発動出来なかった《豪運Ⅱ》についてまた落ち込んでいたが少しは復活したかな?ケガも無く剣が当たった俺にとっては本当に大当たりの大幸運だと思っている。
明日からもオークは一頭だけで帰る、オーク戦士をわざわざ探したりはしないが出てくれば良いけど。
それから二か月後にオークの剣を見つけた、今は《豪運Ⅱ》を適当にONにして溜めない様にしているが剣が当たるまでの間は肉のドロップが続いたり微妙な当たりだった。
当たってしまった事は仕方ないよな、みんなにはオーク戦士の剣の近くを探したら当たったと言っている、実際はそうしているので運が働いたのかは解らない。
レイからは「何か最近当たった時の感動薄く無いですか」と言われているが今回は本当に驚いたが驚きすぎると冷静になり《豪運Ⅱ》の事もあり素直に喜べない自分が居る。
元々俺の計算では一年に二本か多くて三本見つかれは良い方だと思っていたが10か月で五本は多い。系列の魔物の剣は近くにある法則からある程度は計算期間より短くなるとは思っていたがこれはやはり間違いなく《豪運Ⅱ》の影響だ。
影響と言えば何となく剣を選ぶときにオークは数の少ない方からだったりポイズンフロッグは真ん中くらいの番号から選んでいる、大分影響をうけているよな。
最近、食べた定食が腐っていたのか食中毒になって解毒ポーション使ったり、ビックフロッグを倒した時に影からネバネバ攻撃を喰らったり、俺だけ定食の肉がオークの時に品切れで無かったりは有る・・・・これもしかたない範囲だよな。
レイとかバースとかゴンに聞いても無いんだよな・・・、これってサンドラの《豪運Ⅱ》の事を知っているとそこに集中的に悪運は来るのか?それとも関係ないのかは解らないがやはり、みんなには知らせない方が良いよな。
又肉食べに行くか・・・でもあれからオーク戦士には一度もお会いしていません、オーク肉も100頭以上倒しても三回しかドロップしていない、これも悪運なのか・・・何でも運に関連づけるのは止めよう。
「肉食べに行く」
「行きますよ」
「いつもの所で良いか」
「そうですね、いつもの所でいいですので予約ですね」
「体調不良はいないので全員参加で食べる物はカウの焼肉で良いか」
「それで良いです」
「稼いでいるのか、最近良く来るよな」
「良く来るって言っても10か月で三回ですよ」
「そうか、そんなもんか、前回のオーク戦士が強烈だったからな」
「あの肉どうなりました」
「あっちこっちのお偉いさんが食べたかな、もちろん俺も店長特権で食べたけど」
「美味しい肉は何に料理しても美味しい」
「まー、俺の腕もあるがな」
「将来性のあるお前たちは特別割引にしてやるからまた良い肉がドロップしたら持って来いよ」
焼肉の勘定が大分安くなった、良い肉か・・・今度はいつ何がドロップするのでしょうかね。
「今後の方針を決めたいと思うが良いか」
「何ですか、お腹いっぱいでもう食べられませんよ」
「食べる話では無く、ダンジョンの攻略についてだ」
「オークとオーク戦士の剣が有ればある程度はに地下七階で戦えるから次に目指すはオークメイジにしたいと思うがどうだ」
「やっぱり食べる話じゃないですか、オークメイジの肉は賛成です」
「レベル上げも地下七階でする事になる、お泊りする事になるが大丈夫かな?」
「私達はAの女性陣のテントで宿泊できますから大丈夫です」
「川は泳げるのか」
「泳げます、物はレイが持ってくれるのですよね」
「そうなるかな」
「着替え用の簡易テントもあるので川を渡る準備はしています」
「何日位で帰って来るかな」
「何日でも大丈夫ですよ」
「風呂もシャワーも無いぞ」
「女性用の水あび場と洗濯物の干場はあります、特に女性は汗を流してから川を渡らないと大変だったて言ってました」
「どういう事」
「オークは女性のその匂いを好むみたいで遠くからでも体臭を嗅ぎ取って集まって来るそうです、私達はオーク石鹸も持っています」
「オーク石鹸って何ですか」
「オークの好きな臭いが消える石鹸で使ってから有効時間は12時間です」
「私達は今は毎朝使っていますよ」
「そうだったんですね、知りませんでした」
「先輩たちが前に地下10階まで行く時に私達に説明してくれて、石鹸を頂きました」
「他には何か必要な物はありますか」
「一式部屋に準備はしていますから、それを持って行ければあとは有りません」
「無いなら道具屋さんに地下七階お泊りセット一式を売っていますよ、長期滞在型と短期滞在型のセットがあるみたいですがコンロ他一式持ってるのであれば足りない物を買い足せば完了だと思います」
「キャリーの事もあるのでずっと居ることも出来ないから二泊三日くらいから始めるか」
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