第24話 四年5か月

 結局、護衛料を請求したが支払わなかったパーティが今日も帰りのキャリーを依頼して来たが断った。


 少し揉めたが断る事であきらめたが地下六階の入口付近に居た、いつもの様に地下六階をバースの魔力探査で進んで最後のビックフロッグの所で急いで進んだ。


 最初の一匹の後に数匹の集団が居て俺たちが通り過ぎたタイミングで集団はそこに来た、いつもは俺が最後まで倒すがみんなと一緒に出口へ向かった、来る時も今日は最小の討伐でで済ませていたので戦闘を始めるとどんどんビックフロッグが集まって来る。


 入口で戦闘を観ていた、魔法使いの魔力が最初に切れた、剣士はヌルヌルでべとべとになっている、このままでは誰か死ぬ、戻る道にもポイズンフロックが出て来た、どうするのかな。


「助けてあげてください」とサンドラが言った。


「サンドラ、そんな必要は無い」とアニスが少し怒っていた。


「でも、死ぬのは見たくないです」


 しかたないな、行くか。


「みんなはここで待機な」


「わかりました」


 サクサクとビックフロッグを処理して戻りますか・・・。


 助けて、階段まで帰って来た。


「なんで早く助けてくれなかった」


「そちらは自分たちの責任で帰った来たんですよね」


「そうだがここから俺達を見ていただろう」


「危ないので助けに行きましたが、行かなかった方が良かったですか?前回あなた達はここから見てましたよね、今回、地下七階からのキャリーはお断りしましたよ」


 何を言ってるんだ・・・、礼も言わないで最初に文句かよ。


「それでは私達は先を急ぎますので帰ります」


「俺達を置いて行くのか」


「自分たちだけで帰れないのであれば地下五階の安全地帯で一泊して帰ればいいのでは有りませんか、昔はみんなあそこで泊まっていましたよ」


「待てよ」と言って剣を抜いた。


「剣を抜くという事は戦うという事ですか、私のスキルは手加減できませんよ」


 確定の剣を出した、何も無い所から出したのは見えているはずだ、これでも襲ってきたらしかたないよな、ごめんなサンドラ。


「悪かった剣を仕舞うから」


「それではお先に帰ります」


 あいつ、何も無い所から剣を出した、確定していない剣は何も無い所から出す時は出す前に番号を言わないと出て来ないはずだ。


 何も無い所から出したという事は人殺しの剣を持っているという噂を本当だったんだ、あんな顔してても人を殺したことがあるという事だ。


 もうあいつらにキャリーしてもらえないとなると地下五階でレベル上げするしかないな。


「私は帰ったらこのパーティを抜ける」と魔法使いの女の子がリーダーの男に向かって言った。


「俺も抜ける」


「みんなどうした」


「今回の事はあなたが護衛料を払わなかったからでしよ」


「このパーティに居ても地下七階までのキャリーが無いのであれば、別のパーティに移るしかない」


「ここまで一緒にやって来ただろう」


「護衛料をケチったり、今回も後を付いて行けば大丈夫と言ったのもあなたですよね」


「リーダーなら責任を取りなさいよ、上の人は何て言いますかね」


「お前をここに一人で置いて行く事も出来るんだぞ」


「そうですか、置いて行っても良いですよ、さっさと帰ってください」


「そうか、みんな行くぞ」


「俺は行かないぞ」


「俺も行かない」


「暗くなって魔法が無いとこの先は厳しい、四人で行っても誰か死ぬ、俺は死にたくないから残る、帰るのはお前ひとりだがどうするんだ」


「・・・・・」リーダーは黙ってしまった。



 俺達は地上まで帰った来た、なんだか少しスッキリした、あいつら大丈夫だよな。


 本当はビックフロック帯で無くても、魔物の擦り付けは出来る、魔力探査とか気配察知が出来れは魔物が来ている事は判るが出来ないと俺たちがギリギリのタイミングで通過したかどうかは判らないのに良く堂々と後を着いて来るよな、ビックフロッグの所で擦り付けた理由を考えれば良いのに、あつら自分のやった事も理解してなかった。


 一晩位、安全地帯から出なければウルフも来ない事は知っていると思うが、バカな奴らだとは思うが、そのまま帰って来るほど無謀な奴らでは無いよな。



 地下七階に行ってオーク一頭と戦う生活が三か月続いている、今は運を貯めている、四か月目に成ったら使ってもらう予定だ、その前に当たりを引くかもしれない。


 川を渡って一頭だけ居るオークに向かった、近づくとオークがいつもの様に突進して来たがいつもより早い、あれ、こいつ剣を持っていて鎧も付けている、ゴンの盾が弾かれゴンが少し下がった、再度オークが剣でゴンに切りかかった、ゴンは盾でうまく防いだ、レイが隙をついて突きを入れたが鎧に弾かれた、俺も剣を選んで切り付けた、2本目までハズレた、三本目が鎧まるごとオークを切り裂いた。


 また、上位種の剣を先に当てたのか?


「当たった・・・」


「オークの剣を見つけたのですか」


「違う、オーク戦士だ、オーク戦士の剣となっている」


「肉と剣も落ちていますよ」


「剣はゴンが使ってくれ、今までコボルトの剣だったよな、もう折れそうなので交換だな」


「ウー」


「肉はオークの肉とオーク戦士の肉では違うのか」


「オーク戦士の肉自体を聞いたこと有りませんの解りません」とレイが言った。


 川を渡るとアニスとサンドラが待っていた、サンドラの顔色が悪いどうした。


「サンドラが少し具合が悪いそうです、アランさん何か心当たりは有りませんか」


「俺が何をしたって言うんだ」


「俺は何もしていない潔白だ」


「後からお話ですね」


「そんな事より剣が当たったよ」


「オークの剣ですか」


「いや、オーク戦士の剣だ」


「それと肉と剣もドロップしましたよ」


「そんな事が有ったんですね」と何か俺をアニスが睨んで来た。


 何か俺が悪いのか・・・・。


「ちょっとアニスと話して来るからみんなはサンドラを看ていていれ」


「いいよ」


「アニスさん何でしょうか」


「あなたはサンドラにOFFにして貯めてって言わなかったかしら」


「言いましたが」


「ここ数日サンドラの異変に気が付いていたの」


「何の事でしょうか」


「ここ数日、苦しそうにしていたでしょ」


「いつものアレではなかったのですか」


「いつものアレって・・・・・」


「本当に男どもはバカばかりだ」


「サンドラはOFFにしていたために苦しかったみたいで先程、OFFのまま力が溢れていった、その結果がオーク戦士と当たりの剣ですね」


「ダムが決壊してすべて出てしまったのですか」


「そういう感じらしい」


「OFFにしてほしいとお願いしてからまだ一月経っていませんよね」


「それでも今まででOFFの期間は最長だが、どこまで貯められるか限界は知らなかったらしい」


「それなら早く言ってほしかった」


「ここに到着して気が緩んだらドバーと出た感じらしいよ」


「もうちょっとサンドラに気を使ってください」


「解りました次回からは善処します」


「本当にわかったのか?」


「大丈夫です、無理しない範囲でやります」


「そうか、頼むぞ」


「サンドラさんが体調不良なのでみなさんフォローしてください」


「ゴンは特に注意してやってくれ」


「・・・・・」


「任せたぞ」

 

 今日はキャリーで帰る人が居なくて良かった、沼地を歩くのは大変なのでサンドラをおんぶして行く事になった・・・アニスがおんぶしようとしたが沼に足を取られて駄目だった。

 俺は戦闘があるので駄目、バースも魔力探査が有るので駄目、レイはアニスと変わらないので無理とゴンちゃんしかいないよ、よろしくね。


 ゴンちゃんはサンドラをおんぶして普通に沼地を歩いていた、元々体重もあるがレベルが一番高いので少し重量が増えても大丈夫だった。


「・・・・・」鋼鉄の盾より軽いって言ってました。


「サンドラって何か良い事が有る時に体調不良になるよね、前回も剣が一日二本見つかった時だった思うけど」とレイさんが何も考えないで言ってます。


「明日は無理して来なくていいから、体調が悪い時は休んで良いからね」


 レイさんやさしい。


「今回もステーキは無しなの・・・何処かへ食べに行かないの」とバースがちょっとがっかりしている。


「仕方ない、予約して明日休みにして行くか」


「前回行ったところですよね」


「安くてうまかったし、ステーキも作れるって言ってたぞ」


「今回ドロップしたオーク戦士の肉も聞いてみますか」


「レイに予約は任せるが良いか」


「私も体調が良く成れば参加します」とサンドラがゴンの背中から言った。


「サンドラは無理しなくていいぞ」とバースに言われてサンドラは少しがっかりしている様だ。


「私だけ美味しいお肉食べられないのは嫌です、絶対に明日までに体調を良くします」


 今、体調の悪い人が言うセリフでは有りませんよ。


「良くなったらね」とレイが言ったが・・・。


 サンドラさんは病気ではないので明日までには体調が回復するそうです・・・・そういう事です。


「お肉・お肉・お肉・牛さんのお肉」とバースが壊れていますが魔力探査は壊れていません、順調に地下六階を進んでいます。



 





 




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