第23話

「男達は川を渡ってオークと戦いますが皆さんはどうします?」


「俺達も今日はオークを討伐してレベル上げかな」とカイザルさん達も川を渡る様だ。


 川を一緒に渡った、魔法使いの女の人は川を歩いて渡っていた、地下十階に到達した、レベルが50を超えている人は走って川を渡れるそうだ。


 男どもは皆ずぶ濡れで渡り切った。


 バースが川岸近くに一頭だけいるオークを見つけたので俺達はそちらへ向かう、『深穴』の人達はそのまま真っすぐ草原を進んで行っだ。


「気を付けて帰れよ」


「早くここに来いよ」


 などと声を掛けてくれて川を渡った所で別れた。


 草原に一匹だけ居るオークに近づて行く、オークが気が付いて突進して来た、ゴンちゃんが盾でオークの突進を止める、剣を選んで横から切り付けたがハズレた。


 レイがオークにレイピアで突いた、ダメージは少ないがレイにヘイトが変る。


 ゴンが剣で横からオークに一撃入れた首が飛んで行く、ゴンだとスキル無でも一撃か。


 オークは魔石を残して肉は落とさなかった。


「肉は落とさなかったな」


「そうですね、残念です」


「アニス達の所へ帰るか」


「そうですね」


 川を渡るとアニスとサンドラが待っていた。


「オークは肉を落とさなかったよ」


「それは残念ですね、聞いた話では川岸近くに居るオークは弱いオークで肉はあまり落とさない様ですよ」


「そうなんですか」


「それで皆さんは草原の集落付近へ向かうそうです、私達みたいに来たばかりの者は川に近い方が安全なので川の近くでレベル上げをしてオークとの闘いに慣れてから集落側へ向かうそうです」


「その方が安全で最低でも複数頭と戦って勝てる様になるか、逃げられる様にならないと集落側へ行くのは危険らしいです」


 アニスとサンドラが早速情報を聞いて来たらしい。


「俺たちは一頭しか戦わない、初めから川の近くでの戦闘を考えているから大丈夫だ」

  

 濡れた体には温かいスープが美味しい、オークの焼肉と硬いパンを食べ少し休んで昼過ぎになったので帰る。


 帰りもキャリーして帰るが魔物のハグレが出たら一緒に戦ってもらう事になっているが今まで会った事は無いが大丈夫と言っていた。


 誰か今フラグを立てなかったか?


 帰りも順調にビックフロッグの所まで帰って来た、ここからはビックフロッグを倒して後は沼地を抜けるだけだ。


「ポイズンスネークが来ます」とバースが言った。


 俺たちは沼地で早く走る事が出来ないがキャリアーされていた人達はもう走ってビックフロッグ帯を抜けている。


 みんなに解毒ポーションを飲む様に伝えて、自分も飲んだ、くそ不味い、解毒ポーションは毒成分が入っている、美味しい味には作れないらしい。


「ゴンはポイズンスネークの攻撃を防御しながら出口方向へ下がって、バースは攻撃、レイはバースのヘイトを剥がして、レイにヘイトが移ったらゴンとアニスと俺で攻撃する、あとレイはゴンの攻撃時勇気100倍、サンドラは俺たちが戦っている間に少しづつ出口へ下がって」


 ポイズンスネークは最初に毒霧を吐いて攻撃した来たが解毒ポーションを飲んでいるので大丈夫と思っていたが少し目が痛い、吸い込んだらのども痛い。


 体は動くが目が痛くてぼろほろ涙が出て大変な状態になる、ゴンは一撃目の体当たりを盾で防いで噛みつきも防いだ。


 バースの《爆炎》が刺さった、横からレイが突くも皮膚が滑って中々ヒットしないがポイズンスネークは攻撃目標をレイに定めた様だ、この足場の悪い沼地の中、レイはポイズンスネークの噛みつきや体当たりを躱している。


 ポイズンスネークの体が完全にレイに向いて俺たちに横を向けた、最初にアニスが攻撃して、次におれが攻撃したが皮膚で滑ってあまりダメージは入らなかった。


 ゴンの攻撃は鋭く重くポイズンスネークの胴を真っ二つに上下に分けたが頭側はしばらく動いてから止まった。


 ポイズンスネークは肉を残した、これって食べられるのか解らないのでとりあえずレイがアイテムボックスへ仕舞う。


 階段のところまで戻って来た、そこにはキャリーして来た西のB級パーティの人達がいる、戦いをここから見ていた。


「すまない、走り出して到着してから君たちが戦っているのに気が付いたが大丈夫そうなのでここで見ていたよ」


 何をいっているのでしょうか、最初からポイズンスネークが来ている事は言ったのに先に走り出しておいて・・・。


「サンドラ、《キュアー》をお願い」


 さっさと帰りますか、こんなもんですよね、自分たちからわざわざ危険な処へは行かない、それにBのパーテイが地下七階行くのはレベルが地下五階では上がりずらい、地下六階は沼地で毒もあり面倒、地下七階のオークは集団で無ければ経験値もそこそこでたまに肉も落とすと、なれば安全に行けるのであれば地下七階に行きたいだけで、安全に行くためのキャリーなのでポイズンスネークが来ても危険なので戦わないで逃げますよね。


 今までもどこかのパーティに付いて行ってたんだと思いますが緊急事態には対応できないということか?


 次回からはどうした良いのでしょうかね。


 地上に帰って来たが何か釈然としませんが文句を言うとトラブルになるので辞めた。


 アニスだけは次から断れ断らないと一緒に行かないとか言っていますが、アニスさんが居なくても地下七階まで行けますから問題ないですが、そんな事は口が裂けても言えません。


 今回確認したことは《豪運Ⅱ》をOFFからONにすると最初の選択に反応するのかも知れない、今までアニスはサンドラを守る事を第一に考えていたのでそれがなんとなく嫌な感じに出ていたのか、また確証は無いが試して行けば判る事も多い、剣の選択は悪い方に行っても外れるだけなので運を使いやすいが外れたら危険な事には使えないよな、取りあえず明日からのオーク討伐の時に試してみよう。

 

 次の日もキャリーしながら地下七階まで来た、オークに剣を試してハズレで肉も落ちなかった、これが普通。


 帰りは帰る人がいなかったのでそのまま帰って来た、俺達だけでポイズンスネークを倒せることが判ったので帰りの人を待つ必要が無い、ビックフロッグは倒して倒して倒した、今日はビックフロッグがもう出て来ない位に倒したが肉は落ちなかった。


 地下五階の探査は全域調査が終わったが宝箱は無かった、人の行かない所にも行ったが前回落ちた穴以外は発見できなかった。


 遅くなったので地下四階と地下三階はいつもより早いペースで進んだ、魔物は一撃なので早く進んたらそれだけ早く進む。


 夕食時間には十分間に合う時間に帰って来れた。



「魔石ここに置いときます」


「キャリーの仕事はどうだ」


「順調です、今回地下七階まで行く事になりました」


「もう四本見つけたのか、早すぎないか」


「見つけたのはビックフロッグだけです」


「それで地下七階か、地下六階は通り方が判れば通れるか」


「バースの右目が有れば可能です」


「魔力探査が出来れば厄介なのはビックフロッグだけだからな」


「ポイズンスネークのはぐれに会いましたよ」


「誰か一緒だったのか」


「西のBの人達で先に逃げました」


「戦いもしないで逃げたのか」


「ちょうどビックフロッグ帯を抜けた所で後ろからボイズンスネークが来て戦闘に成りました、ポイズンスネークが来てるって言っているのに後ろから俺たちを追い越して沼地を走って抜けて行きました」


「何ともなかったのか」


「解毒ポーションを先に飲みましたから戦闘も大丈夫でした」


「倒した、ポイズンスネークの本体が残りましたがどうすればいいのですかね」


「レイのアイテムボックスの中か」


「そうです」


「市場の買取屋に行けば売れるぞ、ボイズンスネークは余り討伐されないので高値で買い取ってくれると思うぞ」


「あれを食べるのですか」


「一部は解毒ポーションの原料になる、皮も防具の一部になるから肉以外でも使い道が多いぞ」


「そうなんですね」


「毒持ちは意外と高値で取引されるから残ったら必ず持ち帰れ」


「わかりました」


「西のBパーティ事は西に話して護衛料を請求してやる、やだと言ったら帰りのキャリーは今後西のパーティは無しだ」


「揉めませんかね」


「揉めても地下七階から着いて来たら適当な処で魔物を擦り付けて逃げてやれ」


「ギリギリのタイミングで通り抜ければ少し後ろのパーティはどうなると思う」


「付いて来る方は契約もしてないから自己責任だからな」


「怖い事を言いますね」


「正式にお願いされていないただ乗りの連中は本当の怖さを知らないと思うぞ、昔も良く有ったからな」


 何が昔も良く有ったのか、どうしたかは怖くて聞けなかったが言っている事は良く解る。


 

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