第19話
「いつもの所に魔石置いときます」
「地下六階に入ったのか」
「入ったがみんなベタベタです」
「最初はそんなもんだ」
「カエルは遠距離攻撃でみんな仕留めているぞ」
「知ってますが私は剣を試さないとダメなので接近戦が必須です」
「剣を試すのに飛んでる魔物はどうするんだ」
「地上に落としてから試すしかないですね」
「当たりが有っても、その剣で空を飛んでいる魔物を倒せるのか」
「私にもわかりません」
「そうだよな、当たらないとどんな剣かもわからないよな」
「地下六階は知られていないが意外と死亡率が高い、毒に対する対策は複数して行けよ」
「毒を受けた事を自覚出来ない毒もあるから、解毒しないでそのまま死ぬ奴が居るからな」
「どうすれば良いのですか」
「地下六階に入る前に解毒ポーションを飲んでから入る、大体2時間くらいは持つから二時間以内に六階を抜ける、金と実力が有ればこれだな」
「次は毒を受けた時に毒消しポーションを飲む、これが一般的なやつだな」
「毒を受けた記憶が無くても六階を通過して体調が悪くなったら毒消しポーションを飲む、死ぬ一歩手前だな」
「階から出る時や毒を受けた時に《キュアー》で毒消しする、別々になる事もあるので各自毒消しポーションを持っ、これくらいだ、各パーティの実情や懐具合によって変わるかな」
「魔法使いは魔力に限界があるから、予備の毒消しポーションは必須だぞ」
毒対策は必要という事ですね。
「地下五階のゴブリンキングが落とす王冠ですが、毒無効って言うのは何ですか」
「どんな毒でも装備している間は無効になる」
「装備するって事は王冠を頭に被るのですか」
「王冠は頭装備なのでそうなる、装備品の兜との併用は出来ないぞ」
「戦闘中に王冠、落ちないんですかね」
「装備品なので簡単には落ちない、攻撃を受けたら飛ばされる事はある」
「ゴブリンキングの王冠は売れるんですか」
「ダンジョン以外で使っている者が居ると思うか」
「どういう事ですか」
「あれを被って他人の家には行けないし、自分の家でも被れないと思うぞ」
「あれを被って居れば私はあなたの事を信用してませんと言っている様な物だからな」
「見栄っ張りの貴族や大商人は絶対に被らないと思うぞ」
「ダンジョン内ではほしいと思う人は多いから売店では売れるぞ」
「そうですよね」
「毒無効がペンダントなら高く売れると思うぞ」
「そんな物も有るのですか」
「10階以降でドロップするらしいぞ」
「らしいって何ですか」
「実際には売りには出ない、自分たちでしか使わないから、余り表に出て来ない、売店で買い取っても塀の外に持ち出されるから噂だけで見たことが無い」
「相当お高いのですね」
「一個でノルマの分を支払っても数年は暮らせる」
「同じ能力でもそんなに違うのですね」
「どんな物でも、みんなが欲しい物は高くなるのは普通の事だからな」
何か聞くことは無かったかな、無いな、何か忘れている様にも思うが良いか大した事ではない。
「下層に行くパーティからキャリーの依頼が来ているが受けるか」
「キャリーって連れて行くお仕事ですよね」
「地下六階の入口までしか行けませんよ」
「毎日、行ってるんだよな」
「そうです、朝行って夜までに帰って来るパターンです」
「地下六階入口まで急いだらどれくらいで着くんだ」
「今は四時間を切る位ですね」
「四時間であそこまで戦闘しながら行くのか」
「そうなります」
「これからのお前達のためでもあるから、この依頼受けないか」
「地下六階より下に行くと目立つと思うから、今から色々な処にコネを作って中立的な立場を確保した方が良いと思うぞ」
「やる事は今までと変わらないで依頼料が貰えるぞ、ただし、西の依頼も断れないが最初は東だけにする」
「東のAのパーテイとSのパーテイ・Bも入ると10チーム位て一度に二パーテイづつくらいだ」
「いままでも俺たちに付いて来るパーテイは居ましたよ」
「正式にキャリーとなるとそういうのは少し離れて付いて来るか正式パーテイに話して付いて来ても良い許可を貰うのがすじだな」
「面倒事はキャリーするパーテイで解決するから今までよりも安心だぞ」
「お前達のパーテイより安心な処は無かったか、楽園パーテイだもんな」
「俺らにパーテイ名は無いです」
「地下六階で活動出来たら考えるとか言っているが、みんなには楽園パーテイて呼ばれているからそれで良いんじゃ無いか」
「やめてくださいよ、今回の申し出は一度みんなと相談して決めますね」
結局依頼を受けて今日からお客さんと一緒に地下6階入口まで潜る事になった、
「深穴のカイザルだ後はSの深淵Ⅰだったよな」
「Sのパーテイ初めて見ました」
「こいつらはいつも地下十階に住んでいて、たまに地上まで物資の補給に帰って来るから、お前たちもSなら深淵に合流するのか」
「どういう事ですか」
「歳の近い先輩のSは居ないのか」
「居ません」
「ガイス、居ないって言ってるぞ」
「俺達は五年経って使い者になる者か、自力で地下十階まで来た奴だけに声を掛けているからな」
初めて、そんな基準有るの聞いたよ。
「Sは何かと面倒だから」と何か言いづらそうにしている。
「そういう事なんだってよ」とカイザルさんは陽気だ、ガイスさんの事も知っている様だ。
「地下十階まで行ったら、お話は聞かせてもらえるのですか」
「そうだな、お前達の事は調査済みだ、今でも良いが一応俺達のルールだから地下十階まで来い」とガイスさんに言われた。
「わかりました、そちらに加わるかは判りませんが行きます」
「その位の方が良い」と今度はガイスさんがニヤニヤしてしている。
「キャリヤーの話は聞いているな、内容は俺たちを地下六階入口までに四時間以内で到着させる事と俺たちに途中の戦闘をさせない事だが理解しているな」
「解っていますが人数が多く成るので横道から来るのと後ろから来るのには対応しきれないかも知れませんよ」
「後ろから来る魔物に今日は魔法撃っても良いんだよな」
「良いいけど遅れたら置いて行くよ、バース」
「解ってるって」
「一階のスライムは戦闘しないで避けて通りますのでよろしくお願いします」
「我たちは踏みつぶして進むから大丈夫だぞ」
いつもの様に先頭は俺で後ろに魔石拾いのレイでバースとゴンが今回は一番後で真ん中にアニス・サンドラの順番で間に二パーテイが入って進んだ。
「本当に四時間以内で到着したな」
「俺たちの戦闘無しでしたよ」
「先頭のアランはどうなっているんだ、あれでレベル20か、完全に無敵状態でしたよ」
「それより、ゴブリンメイジの魔法切ってなかったか、あれもおかしいよな」
「バースって魔法使いも魔法をバンバン撃ってたが魔力枯渇にならなかったよな、帰りは大丈夫なのか」
「帰りはアランが居ればバースは必要ないだろう、それよりも他の四人は必要有るのか」
「そうですね、ほかのメンバーも戦っていませんでしたね」
「地下六階一匹だけ先に戦って良いですか」
「良いぞ」
「バースはまだ大丈夫」
「大丈夫だぞ」
最初はバースの《爆炎》とそれで接近して、
「レイ《勇気100倍》」
三回剣を試して、ハズレですので《勇気100倍》の剣で一撃でビックフロッグを倒した。
「ここでお別れですね、また今度」
「この先は行けないのか」
「この階で魔物に合う剣を探しています、この階の魔物一撃では倒せませんから時間が掛かります」
「そうか、ここから俺達は先に進むが、ここまで楽させてもらったので助かったよ」
「報酬はサリバンさん経由でお願いします」
「解っている」
「それでは俺たちは帰りますね」
「どう思う、ガイス」とカイザルが話しかけた。
「地下十階以降もこの調子なら頼もしい、このスピードで魔物を討伐出来るのであれば、すさまじい速さでレベルが上がる、Aの評価は違うかも知れない」
「あの能力が有ればAでも10年以内にここを出れる可能性があると思うぞ」
「地下十階まで来た時には本当に争奪戦かもしれない」と真顔で二人とも頷いた。
「そうだな、俺達Sの目標、ダンジョン踏破にも早く近づく可能性はある」
「サリバンが今から中立的な立場にしようとする思惑も判る、このダンジョンを踏破するのは意外とあいつらかも知れない」
「地下十階以降は環境が厳しいから進むにも大変だぞ、そこまで精神面が強そうには思えない、戦いも安全対一とか言ってたしな」
「そうだな、どこかで心が折れない事を願うしかない」
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